数学・算数は小学生・中学生・高校生が必ず学ぶ主要科目です。苦手の克服や入試での活用、実力の証明に適した検定を探している方もいるのではないでしょうか。数学・算数に関する検定としては数検が代表的です。今回は数検の概要をおさらいしつつ、レベル・難易度やメリット、対策などを解説します。受験で優遇される高校・大学の例も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
数検とは?
数検とは、数学・算数の実用的な技能を測定するための資格試験です。正式名称は実用数学技能検定であり、数学検定・算数検定とも呼ばれており、文部科学省の後援によって運営されています。
数検で測定する技能は下記の通りです。
・計算
・作図
・表現
・測定
・整理
・統計
・証明
数学検定は5級・4級・3級・準2級・2級・準1級・1級、算数検定は11級・10級・9級・8級・7級・6級に区分されています。
数学検定は計算技能を測定する1次試験、数理応用技能を測定する2次試験に分かれており、同日に各試験が実施されます。
算数検定には1次・2次の区分は設けられていません。
個人受験のタイミングは、全国各都道府県の会場で4月、7月、10月くらいに実施されるA日程と、協会が提携した機関が設置した会場で随時開催されるB日程に分かれています。A日程は定員がありませんが、B日程は定員に達すると申し込みできません。
数検のレベル・難易度
数検はとても細かく級が区分されています。各級のレベルや難易度が一目でわからず、どれを受験すべきか迷う方も多いでしょう。
数検のレベル・難易度は、目安となる学年を把握しておくだけでもわかりやすくなります。
数検のレベル・難易度は下記の通りです。
数検の区分 | レベル・難易度 |
1級 | 大学・一般レベル |
準1級 | 高校3年生レベル |
2級 | 高校2年生レベル |
準2級 | 高校1年生レベル |
3級 | 中学3年生レベル |
4級 | 中学2年生レベル |
5級 | 中学1年生レベル |
6級 | 小学6年生レベル |
7級 | 小学5年生レベル |
8級 | 小学4年生レベル |
9級 | 小学3年生レベル |
10級 | 小学2年生レベル |
11級 | 小学1年生レベル |
数検のレベルは基本的に各学年に対応しており、1つ上の級を受ける場合は1つ上の学年の技能が求められます。
現在の学年よりも上位の区分を先に取得することで、学校の算数・数学のテストで好成績を獲得しやすくなるほか、算数・数学の学習で挫折するリスクを減らせるでしょう。
数検を取得するメリット
数検の概要とレベルについてお伝えしました。数検について興味が湧いてきた方もいるのではないでしょうか。
数検の受験を検討するにあたって判断基準となるのが取得するメリットです。数検を取得するメリットはたくさんあります。
ここでは数検を取得するメリットについて解説します。
苦手な算数に興味を持てるようになる
数検は苦手な算数に興味を持つきっかけとなり得る試験です。というのも、数検は自分のレベルに適した級を選んで勉強できるからです。
難易度の低い級から挑戦して合格することで、苦手意識のあるお子様でも算数がわかるようになることを実感できます。合格証が届いたことがきっかけで、1つ上の級を受験してみようと意欲を高めるお子様も見受けられます。
算数に対する苦手意識のあるお子様は、数検の受験を検討してみるとよいでしょう。
中学受験や高校入試、大学入試で優遇される
数検は、中学や高校、大学における入試優遇制度で評価されることがあります。入試優遇制度は、一般入試・推薦入試で優遇措置や評価が受けられる制度です。
高等専門学校・高等学校・中学校については全国990校以上、大学・短期大学・専門学校については全国490校以上が入試優遇制度を導入しています。
特に高校入試・大学入試では、数検取得を入試時の点数加算や参考要素、出願要件などに活用することが多いです。
数検を取得しておけば、高校受験や大学受験で志望校に合格しやすくなるかもしれません。
就職活動のSPI対策になる
数検は就職活動のSPI対策としても有効です。SPIは人材採用において応募者の能力を把握するために行われる試験として知られています。
試験内容には非言語分野の問題が含まれることがあり、数学・算数の基礎力が試されやすいです。日頃から数学・算数の考え方に慣れておかないと、面接に進む前に採用試験で落ちることもあるでしょう。
数検を定期的に受験していれば、数学・算数の考え方に慣れることができます。数学・算数のブランク期間も減らせるので、SPIでも問題を解きやすくなるはずです。SPI対策も視野に入れて数検を受験しておけば、就職活動も有利に進められるでしょう。
数検が優遇されている高校・大学の例
数検を取得するメリットとして、高校入試や大学入試で優遇されやすいことをお伝えしました。
具体的にどのような学校が優遇措置を行っているのか気になった方もいるでしょう。
引き続き、数検が優遇されている高校・大学の例をピックアップしてご紹介します。
学校名 | 区分 | エリア | 優遇措置 |
法政大学国際高等学校 | 高校 | 神奈川県 | 準2級以上で一般入試の書類選考で加点 |
浦和高等学校 | 高校 | 埼玉県 | 取得に応じて得点を加算する |
専修大学松戸高等学校 | 高校 | 千葉県 | 3級以上は推薦入試で考慮 |
立教池袋高等学校 | 高校 | 東京都 | 2級程度であれば考慮 |
京華高等学校 | 高校 | 東京都 | 3級以上は推薦・併願優遇において基準点に加点 |
近畿大学 | 大学 | 大阪府 | 工学部:準2級以上は数学の筆記試験に加点 |
早稲田大学 | 大学 | 東京都 | 政治経済学部:総合型選抜入試における書類審査の一要素として評価対象とされる可能性がある |
お茶の水女子大学 | 大学 | 東京都 | 全学部:活動報告書に記載可能 |
東洋大学 | 大学 | 東京都
埼玉県 |
経済学部:自己推薦入試の出願資格としてして設定され、1級~準2級のいずれかを受験し、1次・2次検定の両方もしくはいずれかに合格する必要がある
推薦入試対象の全学部:自己アピールの1つとして評価 |
神奈川大学 | 大学 | 神奈川県 | 理学部:公募制推薦における出願資格の1つとして2級以上を設定 |
高校入試では3級以上、大学入試では準2級以上が評価されやすい傾向です。高校入試・大学入試のいずれも推薦入試で評価されやすいこともわかります。
なお、数検以外にも入試に役立つ検定試験はたくさんあります。たとえば、英検は大学受験の共通テストで利用できる場合がありますし、TOEFL・IELTSなどは帰国生入試で評価されることもあります。
英検やTOEFL・IELTSなどに興味がある方は下記の記事もぜひご覧ください。
英検は大学受験に使えない? 受験するメリットや共通テストで利用できる大学例を紹介!
英検®の塾は利用すべき?学校で受ける??専門塾と一般塾の違いも解説!
帰国子女必見!帰国生入試や海外留学に必要なTOEFL・IELTSとは?英検との違い、スコア換算、対策を徹底解説!
数検の対策
数検が入試で優遇されることを実感し、受験を検討してみたくなった方もいるでしょう。
ただ、数検を受験するにあたって、どのように対策すべきか迷いがちです。数検はポイントを押さえて対策をするだけでも大幅に合格の可能性を高められます。
引き続き、数検の対策について解説します。
学校の学習内容を完璧に理解する
すでにお伝えしたように数検の級は各学年で学ぶ内容を想定したレベルとなっています。つまり、学校の学習内容を完璧に理解して受験すれば合格できる可能性が高いです。
したがって前提となる基本的な対策は、学校で数学・算数の授業を真剣に受けて、宿題や課題に真面目に取り組み、定期テストで好成績を目指すことです。
授業についていけないようであれば、塾や家庭教師を利用して苦手単元の補習を受けるとよいでしょう。
論述式で部分点を狙えるようにする
数検の対策として重要なのが、論述式で部分点を狙えるようにすることです。数検では論述式の問題が出題され、解答を導く過程を記述する必要があります。
答えが誤っていたとしても、途中までの思考が正しければ、部分点を獲得できます。ただ、自分だけでは部分点がもらえる解答の記述方法について理解するのは難しいです。
個別指導で数学・算数のプロに得点を稼げる書き方を教えてもらうとよいでしょう。
数検のアプリを活用する
数検の出題内容に基づいて開発された検定用の学習アプリも提供されています。
アプリであれば、電車やカフェ、図書館などで、外出中の隙間時間に数検の勉強を行えます。学校の勉強や部活動が忙しいお子様でも時間を見つけて数検の対策を継続しやすいです。
タブレットでアプリ学習をしてみたいと思った方は、タブレット学習のメリット・デメリットを解説した記事もぜひお読みください。
タブレット学習とは?メリット・デメリット、危険性、おすすめのサービスなどを解説!
数検の取得にはオンライン家庭教師もおすすめ!
数検の取得では必要に応じて個別指導を受けることも必要ですが、忙しくて塾に通う余裕がないお子様もいるでしょう。
そこでおすすめなのがオンライン家庭教師です。オンライン家庭教師であれば、映像システムによって自宅でも数検の対策を指導してもらえます。マンツーマンで指導してもらえるため、間違いやすい部分を重点的に学べるほか、記述の方法についても質問できます。
オーダーメイドのカリキュラムを提案してもらうことも可能です。テスト勉強や入試対策と並行して数検の対策を無理なく進められるでしょう。
まとめ
数検は、入試で優遇されやすい検定であり、合否に関わる重要な資格であるとおわかりいただけたでしょう。
ただ、資格取得が負担になってしまえば、定期テストの勉強や入試対策がおろそかになるかもしれません。
オンライン家庭教師のように自宅で無理なく対策できるサービスも重要です。オンライン家庭教師で数検対策をご希望される方は弊社ホームページにて。