【2021年版】工学部の小論文 テーマの傾向と対策

近年、大学入試で小論文の重要性が急激に上がっています。そこで、学部系統別にどのようなテーマの小論文が出題されたのかまとめました。今後の大学受験勉強にぜひご活用ください。

2021年度大学入試の工学の小論文

数学や理科などの自然科学の知識を使って、生活を豊かにする製品・仕組みの発明や大規模な生産を行うための学問です。理学と比べてより実践的で実用的な内容になります。機械や建築だけでなく、最近では都市デザイン学や情報工学なども登場しています。

工学の小論文の傾向

大きく2パターンの傾向に分かれていました。

1つは、課題解決型の出題です。日常生活や社会における具体的な課題への活用を問う問題です。防災のために土木技術者として何ができるか、AI活用や少子高齢化といった社会問題に技術者としてどう対応するか、といった出題が目立ちました。

もう1つは、価値創出型の出題です。技術者として自分が社会にどう貢献できるかを問う、自分ベースの意識を問う問題になっています。

2021年度入試で出題された小論文のテーマは以下のとおりです。

ここがPOINT
  • プラスチックの生産と廃棄(山梨大学・工学部・メカトロニクス工学科)
  • 国際的な技術者になるには(豊橋技術科学大学・工学部)
  • 地域の活性化と住民の意思(富山大学・都市デザイン学部・都市・交通デザイン学科)
  • AIによる自然現象の予測(東京大学・理科一類)
  • 少子高齢化が社会にもたらす課題(鳥取大学・工学部・社会システム土木系学科)
  • 物理に関する論理的思考力と記述力、応用力、創意・工夫する力(広島大学・工学部・第二類)
  • 新型コロナウイルス感染症拡大による建築・環境分野の役割、建設業界における人手不足問題、洪水などの災害に対する技術者としての対応(広島大学・工学部・第四類)
  • 農業土木における国内・国際貢献(琉球大学・農学部・地域農業工学科)

工学の小論文の対策

まずはテレビや新聞、ネットで触れたニュースを見て、自分ごととして考えるようにしてみましょう。自分が当事者の一人ならどう解決できるか、当事者の方々はどのように解決しようとしているか。それを考えたり調べたりしてみましょう。

例えば、災害への対応に興味がある人なら、大地震などの大きな災害が発生する前後で町づくりがどのように変わったのか、倒壊した建物とビクともしなかった建物は何が違うのか、などを調べてみるのもいいかもしれません。

AIの活用についても、そうした具体的なテーマから入るとコツをつかみやすくなります。例えば震度4以上程度の揺れを計測すると、エレベータは最寄り階に止まって一定時間トビラが開放された後、自動的に閉じます。このとき、けが人がエレベータ内に残っているとします。そのエレベータに人の動きを画像認識して一定の基準で判断できるAIが搭載されていれば、自動的に管理センターに通報されるシステムなどを作れるかもしれません。

そうしたシステムの構築はAIエンジニアの仕事ですが、AIエンジニアと協力すればどのようなシステムの構築ができるかを考えるのは、現場技術者だからできる仕事です。

このエレベータの例をさらに発展させると、AIを使って地震被害をゼロにしたいなどの目標につながるかもしれません。この目標からは、エレベータに限らず、安全に避難できる避難ルートの検索と即時提示、建物の崩壊度合いによる救出の優先度付けなどに、具体的なテーマが広がっていきます。これが新たな価値の創出です。

最初からどちらかに絞ったりせず、具体的な事象から当事者意識で考えたり調べたりしてみましょう。難しいと感じたときは、すぐに誰かに頼りましょう。一人で考えるより誰かと一緒に考えるほうがアイデアはたくさん出てきます。

小論文の書き方についてはこちらでも紹介しています。
小論文の書き方 手早く合格を取れる小論文の書き方とは?塾関係者が例文付きで解説!

まとめ

いかがでしょうか。工学部は日常生活や社会に存在する課題を技術的に解決する実践的な学問です。大学入試改革で提唱されているように、課題解決だけでなく価値創出も大きなテーマとして取り上げられています。どちらも実践的で具体的な内容を小論文で求められます。

高校生が一人でこの作業を進めていくのはかなり骨が折れます。受験勉強の合間にすべて一人で調べるのも、時間的な制約が大きいかもしれません。

小論文対策に詳しい人とうまく協力できた受験生ほど合格に一気に近づけます。

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