高校無償化の所得制限の撤廃が話題となっていますが、結局いつから始まるのか、いくらもらえるのか、制度の概要が気になっている方も多いでしょう。今回は高校無償化の全体像がわかるように、所得制限の撤廃、支給上限額、対象者などを解説します。高校無償化の制度活用を検討する際にぜひお役立てください。
目次
高校無償化とは?
高校無償化とは、すべての高校生が安心して勉強に専念できる社会の構築に向けて、高等学校等における教育に関する経済的負担を軽減する取り組みです。引き続き、具体的な対象制度や所得制限の撤廃、支給上限額などを解説します。
対象制度
高校無償化と表現される傾向にありますが、実態としては授業料を支援する「高等学校等就学支援金」が対象の制度として役割を果たしています。
受給資格を得ることができれば、授業料に対して支援金を受け取ることができます。返済をしなくて済むので安心です。
所得制限の撤廃はいつから?
近年、高等学校等就学支援金は所得制限が撤廃され、たくさんの高校生が授業料を支援してもらえるようになりました。2024年時点では年収約910万円未満の世帯が対象となっていましたが、2025年度から年収に関係なくすべての世帯で支援を受けられます。
さらに2026年度からは私立高校への加算支援も拡充されます。年額上限の引き上げによって実質無償化になる流れです。私立高校は公立高校よりも授業料が高い傾向にありますが、支援制度の改正によって今後は私立高校の受験も検討しやすくなるでしょう。
支給上限額はいくら?
高校無償化は結局いくらなのか気になっている方も多いでしょう。
支給上限額は公立と私立の場合で異なります。
2026年度より、公立の場合は11万8,800円、私立の場合は45万7,200円です。
私立の通信制課程については33万7,200円となっており、国立高校についても実質無償となります。学校の種類、学び方などによって金額が異なる点は把握しておきましょう。
授業料の相殺・返金
高等学校等就学支援金は、都道府県や学校法人などの学校設置者が、生徒の代わりに受け取って授業料に充てる形で相殺します。生徒・保護者が直接受け取るわけではありません。
これまで、学校の授業料と就学支援金の差額については、生徒(保護者)が支払う流れでした。
支給開始のタイミング
高等学校等就学支援金は授業料に充てる形で相殺されることから、支給開始のタイミングは実質的に授業料徴収時と考えてよいでしょう。
これまで、学校によっては先に授業料を全額徴収して、支援対象者に後日差額を還付する場合もあり、還付時期については学校に確認が必要でした。
高校無償化の対象者

高校無償化の対象者に関しては具体的にルールが定められています。高校無償化の対象者は主に下記のとおりです。
・対象校種に在学している
・日本国内に住所を有する
・日本国籍を有する
これまでは所得制限によって対象外となるケースがありましたが、前述した通り制度の改革によってルールが緩和されました。
基本的には日本の学校に通う高校生であれば、高校無償化の恩恵を受けられると考えて差し支えないでしょう。
高校無償化の対象となる学校
高校無償化は公立・私立・国立のいずれにも対応していますが、対象となる校種が細かく定められています。具体的な対象校種は下記の通りです。
・高等学校(全日制・定時制・通信制)
・中等教育学校(後期課程)
・特別支援学校(高等部)
・高等専門学校(1~3年)
・専修学校高等課程
・専修学校一般課程
・各種学校のうち国家資格者養成課程(中学校卒業者を入所資格とするもの)を置くもの
・海上技術学校
高等専門学校(中学卒業後の進路として検討できる技術者養成学校)も対象となっていることからも、幅広い生徒が利用できる制度であるとわかります。
高等専門学校については下記の記事で詳しく解説しているので、進路として検討している方はぜひ参考にしてみてください。
高専(高等専門学校)とは?歴史や専門学校との違い、入試などをわかりやすく解説
高校無償化の手続きの流れ
高校無償化の申請手続きの流れとして、基本的にはe-Shienによるオンライン申請を行います。
e-Shienは、高等学校等就学支援金オンライン申請システムです。
学校から配布されたログインID通知書に基づき申請する流れです。
学校や学校の所在する都道府県から別の案内があるケースでは指示に従って申請する必要があります。
高校無償化の申請時期と必要書類
高校無償化の手続きの流れをさらに詳しく知るために、申請時期と必要書類を把握しておくことも大切です。ここでは、都道府県の案内ページをもとに高校無償化の申請時期と必要書類について解説します。
申請時期
都道府県の例として埼玉県は、新入生と在校生が申請手続きをする時期は、令和8年度が4月(年1回)として公表しています。
ちなみに令和7年度以前の申請時期は、新入生の場合が4月(入学時)・7月の年2回、在校生の場合が7月の年1回となっていました。
令和9年度以降の申請時期については、引き続き各学校を通して案内するとのことです。
必要書類
都道府県の例として埼玉県では、日本国籍の生徒はオンラインで申請するので、原則として必要書類の提出はありません。
ただし、特定の条件に該当する場合は、在学する学校の事務室に生徒から別途書類の提出が必要です。
たとえば、別の高等学校等に過去に在籍して就学支援金を受給していた場合、就学支援金受給資格消滅通知を提出します。
就学支援金受給資格消滅通知は、在籍していた高等学校等から送付される仕組みです。
参照:令和8年度 高等学校等就学支援金 申請のしおり(埼玉県)
高校無償化の注意点
高校無償化の大きな注意点として挙げられるのが、支援金額の対象となるのが授業料のみであることです。
対象外の費用の例は下記の通りです。
・入学金
・制服代
・通学費
・教材費
・部活動費
・修学旅行費
学校生活でかかるすべての費用を支援してもらえるわけではありません。授業料以外の費用については自己負担であることを認識しておきましょう。
授業料以外の費用に関する家計負担の目安金額
高校無償化の注意点で授業料以外にかかる費用をお伝えしましたが、具体的にどれくらいの金額が家計の負担になるのか気になった方もいるでしょう。
授業料以外にかかる費用の家計負担の目安は下記の通りです。
| 授業料以外の費用 | 家計負担の目安金額 |
| 入学金 | 公立:5,650円(一部は5,550円)
私立:平均16万円程度 |
| 制服代 | 70,000円~75,000円程度 |
| 通学費 | 月2,000円~6,000円程度
※15分~40分程度の電車通学の例 |
| 教材費 | 50,000円~65,000円程度 |
| 部活動費 | 年間40,000円~45,000円程度 |
| 修学旅行費 | 20,000円~26,000円程度 |
授業料以外に発生する費用はさまざまあり、積み重なることで家計をじわじわと圧迫します。高校無償化を受けられるからといってお金を無駄遣いしないように注意が必要です。
高校無償化に関する授業料以外の支援制度
高校無償化に関する授業料以外の支援制度として、高校生等奨学給付金の活用も検討できます。
高校生等奨学給付金は、高校生が安心して教育を受けられるように、低所得世帯を対象に授業料以外の教育費を補助する支援制度です。
対象となる教育費の例は下記の通りです。
・教科書費
・教材費
・学用品費
・通学用品費
・教科外活動費
・生徒会費
・PTA会費
・入学学用品費
・修学旅行費
・通信費 など
全日制の非課税世帯の支援額は、公立の場合が年額14万3,700円、私立の場合が年額15万2,000円となっています。
高校無償化以外に知っておきたい自治体独自の上乗せ支援
国による高校無償化以外にも自治体独自の上乗せ支援を利用することも可能です。
主要都道府県が実施している独自支援の例をご紹介します。
| 都道府県 | 支援制度 | 支援内容 | 年収 | 問い合わせ先 |
| 東京都 | 私立高等学校等授業料軽減助成金 | ・年43,800円
※高等学校等就学支援金と合わせて最大で年501,000円 |
制限なし | 東京都私学財団 |
| 神奈川県 | 学費補助金 | ・年22,800円
※高等学校等就学支援金と合わせて最大で年480,000円 ・別途入学金最大212,000円補助 |
住民税非課税世帯あるいは生活保護世帯の場合に入学金最大額支給 | 神奈川県福祉子ども未来局 子どもみらい部 私学振興課 助成グループ |
高等学校等就学支援金と併用できる都道府県の支援制度を希望される場合は、制度ごとに別途申請が必要です。
高校無償化のメリット・デメリット

高校無償化にはメリットだけでなくデメリットもあります。メリット・デメリットの詳細について解説します。
メリット
これまでお金の余裕がなくて公立に進学せざるを得なかった家庭でも、私立高校の受験を検討しやすくなります。
性格と校風がマッチする私立高校、教育設備が充実した私立高校、志望大学への進学実績が豊富な私立高校などを選べるようになります。
お子さまが進路選択に納得したうえで、より充実した学校生活を過ごしやすくなるでしょう。
デメリット
前述の通り高校無償化に関して所得制限がなくなり、高所得世帯がさらに教育費用の資金を増やしやすくなり、教育格差が広がる恐れもあります。
浮いた費用で無駄遣いしてしまえば、大学受験を有利に進めることは難しくなるでしょう。
塾選びなどに失敗しないように注意が必要です。
高校無償化で浮いたお金でオンライン塾・家庭教師も検討!
高校無償化で浮いたお金で塾を検討するなら、特にオンライン家庭教師がおすすめです。
集団塾と違って、得意分野の授業を受ける必要がなく、苦手部分だけピンポイントで教えてもらえます。学校行事や部活、習い事などとも予定を調整できるので、授業を欠席してお金を無駄にするリスクも低いです。高校無償化で浮いたお金を無駄にせず、充実した教育を受けられるでしょう。
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高校無償化のよくある質問
ここまでの説明で高校無償化の制度の仕組みがおわかりいただけたでしょう。さらに理解を深められるように、高校無償化のよくある質問についてQ&A形式で回答します。
Q1.高校無償化は途中申請にも対応している?
A1.文部科学省の案内ページでは途中申請の対応について確認できませんでした。
ただ、私立・公立ともに専用窓口が用意されており、高校無償化の問い合わせを受け付けています。
途中申請に関する疑問について解決したい場合は、下記のページから電話番号を確認して専用窓口に問い合わせてみてください。
参照:
Q2.外国籍でも高校無償化の支援を受けられる?
A2.日本国籍以外でも国籍・在留資格などを含めた条件を満たせば支援を受けられます。
・高等学校等に在学
・日本国内に住所を有する
・日本国籍以外の方
・永住者や日本人の配偶者といった在留資格を有する生徒 など
なお、国籍が日本の場合はオンライン申請に対応していましたが、外国籍の場合は紙による申請書の提出が必要です。受給資格認定申請書に、住民票の写し(原本)や特別永住者証明書の写し、在留カードの写しなど、生徒本人の必要書類を添付して学校に提出します。
Q3.高校無償化に関する家計急変支援とは?
A3.保護者が今まで得られていた収入を得られなくなったときに授業料を支援してもらえる制度です。
認められる理由としては負傷や病気、離職などが挙げられます。
通常の就学支援金の対象にならない場合や、受給していても支給限度額まで支給されていない場合など、要件を満たせば対象として就学支援金を受けられる可能性があります。
支給限度額は月額33,000円です。
まとめ
高校無償化によって私立高校に通いやすい時代が訪れます。ただ、私立高校にいけばお子さまの学校生活がうまくいくとも限りません。
あくまでお子さまの学力、性格、価値観、志望大学、将来の夢などをふまえて進学先を選ぶことが重要です。
高校無償化を契機に、あらためて進学先を相談したい方、オンライン家庭教師の利用を検討してみたい方は、ぜひ一度Axisのオンライン家庭教師のホームページをご覧ください。
高校無償化だけでなく、受験に向けて進路や大学に関する情報を収集しておきたい方は下記の記事もお役立てください。
高校生の進路の決め方を解説! 決める上で大切なこと、決める時期は?【進路アドバイス付き】




