海外で暮らしているご家庭では、将来的に日本での教育を検討している方もいるでしょう。帰国子女として日本の中学校に通う場合は、学校選びはもちろん、編入試験の受験も必要です。今回は、帰国子女が編入できる中学校について、種類や探し方、対策などを解説します。編入に対応している中学校の例も試験情報とともにまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
目次
帰国子女が編入できる中学校の種類
帰国子女の編入とは、外国から帰国した児童生徒が、原則として年齢に応じた学年で国内の学校に通い始めることです。帰国子女が編入できる中学校は、公立中学校・国立中学校・私立中学校に分かれており、帰国子女の受け入れ体制が異なります。早速、それぞれの種類について解説します。
公立中学校
公立中学校は、教育委員会が管轄する無試験で編入できる中学校です。特に希望する中学校の編入試験を受けない限り、公立中学校に編入することになります。一般的な生徒が通うので、帰国子女に特化したクラスが用意されていないケースが通常です。特別視されるストレスは少なからず存在するでしょう。
国立中学校
国立中学校は、国立大学が運営している付属の中学校です。公立中学と同様に授業料や教材費が無償であるほか、帰国子女だけの学級が設けられることもあります。ただし、通学区域内に居住していないと受験資格を満たせない傾向です。帰国後のエリアによっては受験が難しい場合もあるでしょう。
私立中学校
私立中学校は、学校法人が運営している中学校です。グローバル環境を特色とした学校を中心に、帰国子女の編入試験が実施されています。帰国子女の受け入れを主目的として設立された学校もあり、全体的に帰国子女に特化した教育を受けやすい傾向です。
帰国子女が編入できる私立中学校の探し方
グローバル環境の中学校だと帰国子女もなじみやすい傾向にあります。ひとまず私立中学校を検討したいご家庭も多いでしょう。引き続き、帰国子女が編入できる私立中学校の探し方を解説します。
ホームページや学校説明会で校風、宗教を確認する
校風に馴染めないと、学校生活における精神的なストレスが増え、学業にも専念しづらくなります。ホームページで、校風が海外の学校とかけ離れすぎていないか、慎重に確認しましょう。学校の宗教や礼拝の有無なども見落としなく確認が必要です。
一時帰国の際に説明会に参加するのもおすすめです。直接参加するのが難しければ、オンライン説明会を探してみましょう。ライブ形式でチャットの声を拾って、先生や在学生が質問に答えてくれるイベントもあります。
編入試験の内容を確認して偏差値も目安にする
学校によって編入試験の内容が細かく異なります。たとえば一般的な教科試験もあれば、作文、面接などの試験が実施される場合もあります。面接で保護者の参加が求められるケースも珍しくありません。親子ともども落ち着いて回答できるよう、質問を予測するシミュレーションも必要になります。募集要項を確認して受験しやすい学校を探しましょう。
編入試験の内容は、編入試験に近い時期の定期テストが問われるケースも多いです。基本的には入学後の授業についていけるか確認するために実施されます。学校の偏差値を目安に難易度を想定して、無理なく学業に励める学校を選ぶのが最も重要です。
大学への内部進学率や進学サポートをチェックする
私立中学校によっては内部進学に対応していることもあり、帰国子女として編入を希望するときも一つの着眼点となります。高校や大学への内部進学率が高いのか、推薦制度を受けるときの条件はあるのか、事前に確認しておきましょう。
大学の学部説明会、見学会などに対応している学校だと、将来的に自分にマッチした進路を実現しやすくなります。大学進学サポートの充実度も編入前からチェックしておくとよいでしょう。
志望校の選定や情報収集の方法などを詳しく知りたい方は下記の記事もチェックしてみてください。
知っておきたい!帰国生入試の基礎知識(帰国子女・中学受験編)
帰国子女が編入できる私立中学校の例
帰国子女が編入できる私立中学校をいくつかピックアップしてみました。概要や編入試験に関する情報もまとめたので、参考にしてみてください。
学校 | 所在地 | 概要 | 編入に関する入試情報 |
広尾学園中学校 | 東京都港区南麻布 | 帰国子女受け入れ校としての歴史が長く、国際色豊かな抜群の英語環境 | TOEFL iBTの結果によっては英語試験が免除 |
ドルトン学園中等部 | 東京都調布市入間町 | サンフランシスコ州立大学やアリゾナ州立大学など海外大学と連携協定を結んでいて進学サポートも充実 | Zoomによる保護者同伴オンライン面接あり |
三田国際学園中学校 | 東京都世田谷区用賀 | 英語や主要教科の授業は英語力に応じた2つのグループに分かれている | 出願前に個別面談が必要になる場合あり |
渋谷教育学園幕張中学校 | 千葉県千葉市美浜区 | トップレベルの海外大学への合格実績が豊富であり、帰国生と一般生が切磋琢磨できる環境 | 日本語での活動記録報告書の自筆が必要な場合もある |
関西学院千里国際中等部 | 大阪府箕面市小野原西 | キリスト教主義教育を柱の一つとして掲げており、「感謝・祈り・練達」を理念としている | 帰国時期が未定でも受験できる入試あり |
同志社国際中学校 | 京都府京田辺市多々羅 | 京都で唯一の帰国子女の受け入れを主目的として設置された学校 | 日本語以外の作文が課される場合もある |
啓明学院中学校 | 兵庫県神戸市須磨区 | キリスト教を建学の精神としており、毎朝の礼拝から1日をスタート | シンガポール会場でのシンガポール入試に対応 |
帰国子女が知っておきたい編入試験の対策
入学を希望する学校について、帰国生入試に関する過去問が入手できないか確認しましょう。過去問が書店で販売されている場合、ホームページで公開されている場合があります。
ただ、編入試験は直近の定期テストを流用する場合も含め、過去問、類題を入手するのは極めて難しい場合がほとんどで、対策が非常に困難になります。
対策としては上記に記載したように、編入試験の問題ではなく、帰国生入試の過去問を手に入れて出題傾向を参考にするか、学校がどこまで単元学習を進めているかをもとに、直近の定期テストの出題範囲を予想して学習するといった方法が考えられます。
全国的に多様な受験をサポートしている塾であれば、ネットワークを活かした情報収集により、編入試験対策を行ってくれる可能性があります。各教科の対策はもちろん、帰国のタイミングに応じた合理的な編入方法、帰国子女の進路を見据えたアドバイスも受けやすいです。
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作文試験がある場合は、作文指導を受けておくことも重要です。作文は書き方を知るだけでうまくなり、短期間の学習でも効果が出やすい傾向にあります。作文を学ぶ中で、志望理由書を書くコツもわかってくるので、一石二鳥です。
帰国前から受講しておけば、帰国した後もオンライン家庭教師なら講師を変えずに授業ができるので、授業の進め方や方法を変える必要がなく、変化に敏感なお子様のメンタル面も安心です。
編入先の学校情報に詳しいオンライン家庭教師を選んでおけば、合格した後もそのまま定期テスト対策など継続して授業を受けることで、学校生活の不安が解消されますね。
編入試験を受験する可能性が少しでもあるなら、希望の学校に合格しやすくするために、海外在住中から情報収集、各種対策を進めておくのが無難です。
まとめ
帰国子女の編入試験は、一般的な入試と試験内容が異なり、特別な対策が必要です。結論として、正確な入試情報を獲得できるかが合否に直結します。
有益な入試情報を得るために志望校出身者と接点を持つことが重要です。
オンライン家庭教師であれば、志望校出身の講師をマッチングできるほか、全国的なネットワークを活かした情報提供も受けられます。
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今回は中学校の編入試験について解説しましたが、帰国子女の高校受験や大学受験について気になった方は、下記の記事もチェックしてみてください。