社会で働き始めてから新たに大学受験を検討する方もいるでしょう。その場合、高校生が受験する一般入試とは別に、社会人入試という枠での受験が認められることもあります。とはいえ、本当に社会人から大学受験ができるのか、大学に合格できるのか不安を抱える方もいるに違いありません。そこで今回は、社会人入試の概要やメリット・デメリット、受験資格、対策などを解説します。社会人入試を受けるべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
社会人入試とは?
まずは、社会人入試について全体像を把握できるように、概要やメリット・デメリットから解説します。
概要
社会人入試とは、大学が社会人や職業人を対象に実施する特別入試制度です。「社会人入学試験」「社会人特別選抜」などさまざまな名称で実施されます。
生涯学習の機会を提供する目的や、高度な専門知識・能力を持つ研究者および教育者を養成する目的など、さまざまな目的で実施されます。
メリット
社会経験や職業経験を積むことで、高校時代・大学時代ではわからなかった学ぶ意味について深く実感できるようになります。自分の将来・キャリアに必要な知識やスキルを意欲的に習得できるようになるため、即戦力となる人材を目指しやすいです。
異なる資格を取得することで異業種へのキャリアアップを目指すこともできます。
デメリット
社会人入試では、働きながら受験の対策や準備をしなければならず、時間の確保に苦労する方もいるかもしれません。時間だけでなく入学金や授業料などを確保しておく必要もあります。人によっては塾・予備校の受講料がかかる場合もあるでしょう。
職場に関する書類を求められることがあり、仕事の関係者から了承を得なければならない場合も想定されます。打ち明ける決意が固まらず、受験の意思を伝えるのが難しいこともあるかもしれません。
塾の費用相場については下記の記事も参考にしてみてください。
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社会人入試の募集要項
社会人入試の募集要項の各項目を知ることで、さらに入試制度について理解を深められます。ここでは、社会人入試の募集要項の項目として受験資格や選考方法、必要書類などを解説します。
受験資格
社会人入試における受験資格としては、学歴・職歴、年齢要件などが定められやすいです。
【学歴・職歴】
基本的には最終学歴が高校卒業以上であれば出願できる大学が多いです。定時制・通信制の高校を卒業した方や、高等学校卒業程度認定試験合格者などが出願できる場合もあります。
職歴の条件が設けられるケースも少なくありません。たとえば、企業や官公庁などで正規、非正規の職員として勤務している者、1年以上の社会経験のある者などの条件が見受けられます。
【年齢要件】
年齢については、高校卒業後の年齢から想定して条件が設定される傾向です。入学時点で「満18歳以上」「満21歳以上」「満22歳以上」「満23歳以上」「満24歳以上」のように細かく制限され、詳細は大学や学部によって異なることもあります。
選考方法と必要書類
前提として書類審査を受けるのが一般的です。
必要書類としては、入学志願票や調査書、最終出身校の卒業証明書・成績証明書、志望理由書、経歴書、在籍証明書、住民票、学部で指定された英語資格の合格証などが挙げられます。職場の上司などからの推薦書が求められるケースもあるようです。
書類審査のほかには小論文や面接、口頭試験、外国語試験などが行われます。筆記試験が行われないケースも珍しくありません。
参照:
社会人入試の試験内容と対策
社会人入試の受験資格や選考方法、必要書類などを知り、自分でも受験できる可能性があることに気づけた方もいるでしょう。ただ、受験できるとしても試験内容と対策がわからないと合格できるのか不安になります。引き続き、社会人入試の試験内容と対策についても解説します。
書類審査
社会人入試でも、高校生が推薦入試を受験するのと同様に志望理由書が求められますが、大学によっては「社会経験を踏まえた内容」を記載するようにルールが定められることもあります。
仕事を経験して大学での学び直しが必要となった背景について、具体的なエピソードを交えて執筆しましょう。入学後の学習意欲や成長性、キャリアアップの可能性を審査官に期待してもらいやすくなり、審査に通過できる可能性を高められます。
小論文
社会人入試では、実社会のテーマに応じた小論文が出題されやすいです。過去問を収集してどのようなテーマが出題されやすいか傾向をつかみ、自分なりの課題解決策や主張を固めておくことが最も大切になります。
基本的にWebサイトから過去問を探し、見つからなければ大学に問い合わせる流れとなります。取り扱う学問が類似する他校の過去問から類似テーマを材料として集めるのもおすすめです。早いうちから過去問を収集して出題テーマの分析と書く練習を始めましょう。
面接
社会人入試における面接でも志望理由が最も重要です。志望理由書に書かれていることを再び聞かれやすいので、書類と矛盾する内容を答えないように注意します。そのうえで面接官の質問を自分でも予想して回答を用意しておけば、慌てず冷静に受け答えができるでしょう。
仕事の内容についても聞かれやすいので、概要をまとめておくと安心です。面接官が理解しやすいように、職場内だけでしかわからない専門用語を多用しないようにしましょう。
筆記試験
社会人入試では、筆記試験の実施は少ない傾向にありますが、専門知識を試す大学も見受けられます。たとえば、法律を学べる大学の場合は憲法や行政法、民法などの法律科目から1科目の受験を求められることもあります。
職業や仕事と関連が深い科目を選ぶことで知識を活かせるかもしれません。経験を活かして有利に受験できる科目を検討してみましょう。
社会人入試に対応している大学一覧
社会人入試に対応している大学の例は下記の通りです。
大学名 | 学部や研究科の例 |
近畿大学 | 法学部・経営学部・短期大学部など |
専修大学 | 修士課程では全研究科 |
駒澤大学 | 文学部・経営学部・医療健康科学部など |
法政大学 | 人間環境学部 |
武蔵大学 | 経済学部・人文学部・社会学部 |
愛知学院大学 | 文学部・心理学部・健康科学部・商学部など |
近畿大学や専修大学など、大学の詳細については下記の記事も参考にしてみてください。
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社会人入試対策はオンライン塾・家庭教師がおすすめ
社会人入試対策はオンライン塾・家庭教師がおすすめです。
オンライン塾・家庭教師であれば通塾時間が発生しないため、忙しい社会人の方でも時間を見つけて授業を受けられます。講師の交通費が発生しない分、通常の家庭教師よりもお得な料金で受講しやすいのも魅力です。
オンライン塾・家庭教師のサービスによっては、小論文や面接対策などまでサポートしている場合もあります。
たとえばAxisのオンライン家庭教師では、大学受験の小論文や面接対策などに詳しいプロが在籍しており、社会人入試の対策にも対応可能です。
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社会人入試に関するよくあるQ&A
ここまでの説明で社会人入試の全体像が見えてきたのではないでしょうか。さらに理解を深められるように、社会人入試に関するよくある疑問についてQ&A形式で回答します。
Q1.社会人入試に合格しても仕事と学業を両立できるか不安な場合は?
A1.オンラインで履修できる通信制の大学を選べば、キャンパスに通学せずに済むため、学業を両立しやすくなります。
1回約15分程度の講義動画などを通勤電車の中で視聴するといった学びも可能です。
夜間に学べる学部の社会人入試に対応している大学を選ぶ方法もあります。仕事が終わったあとに学べるので、学業に専念しやすいです。昼間に学べる学部と同じ教育内容を学ぶことも可能です。
Q2.社会人入試の難易度はどれくらい?
A2.社会人入試では、筆記試験がない大学を探しやすく、一般入試よりも難易度が低い可能性もあります。
大学側が興味を持つような社会人経験のある方、面接や小論文で説得力のある回答ができる方、志望理由が明確で入学に対する強い決意がある方などであれば、合格しやすいかもしれません。
ただ、基礎学力が低すぎると入学後に勉強についていけなくなる恐れもあります。自分の実力以上の大学を受験しないように注意が必要です。
まとめ
社会人入試をうまく活用することで、社会経験を活かした新たなキャリアアップを目指せます。自分の可能性を広げたい社会人にとって受験を検討しない手はないでしょう。
ただ、社会人入試を経験する方は高校生と比較すると決して多くありません。情報を収集しづらい点で入試の準備や対策が難しい傾向にあります。
その点、全国にネットワークを持つオンライン塾・家庭教師のサービスを利用すれば、志望校の情報を収集しやすくなるだけでなく、準備や対策までサポートしてもらえます。
社会人入試の情報収集や準備、対策に悩んでいる方はAxisのオンライン家庭教師ホームページにて。