【2021年版】【大学別】茨城大学の過去2年分の小論文傾向

大学入試改革により、2021年度入試より小論文を入試科目として採用する大学が急増しました。実際にどういうテーマが出題されていたのかを紹介します。今後の受験勉強にぜひご活用ください。

2020-2021年度の茨城大学の小論文テーマ

2020年度と2021年度の茨城大学の小論文テーマ一覧は以下のとおりです。

年度 学部・学科

(試験種別)

小論文の種類 テーマ
2021

 

人文社会科学部・現代社会学科、法律経済学科

(学校推薦型)

教科型・課題文読み取り型 問題. 次の英文(Ali Rattansi; Racism)を読んで、(1)、(2)、(3)に答えなさい。

(1)下線①と関連して、レイシズムが社会的な影響力や政治紛争に左右される原因について、著者はどのように述べていますか。本文の記述に即して200字以内の日本語でまとめなさい。

(2)下線(2)と関連して、新しいレイシズムとは、どのようなものだと著者は述べていますか。本文の記述に即して150字以内の日本語でまとめなさい。

(3)下線(3)と関連して、英国における構造的な差別について、著者はどのように述べていますか。具体例を用いて300字以内の日本語でまとめなさい。

人文社会科学部・人間文化学科

(学校推薦型)

教科型・課題文読み取り型 問題1. 次の文章(四元康祐著『詩人たちよ!』)を読んで、後の問いに答えなさい。

(1)a~eの片仮名を漢字に直しなさい。

(2)傍線部A「日本語におけるこの問題」とはどのような問題か、わかりやすく80字以内で説明しなさい。

(3)傍線部B「日本では、なまじ家庭内言語と公的言語の断絶があるばかりに」とあるが、日本語において家庭内言語と公的言語の断絶があるとする筆者の主張について、あなたの考えを200字以内で述べなさい(改行しないこと)。

 

問題2. 次の文章(家近良樹著『歴史を知る楽しみ』)を読んで、後の問いに答えなさい。

(1)傍線部A「こうしたこと」とはどういうことか。わかりやすく80字以内で説明しなさい

(2)傍線部B「教科書の内容を普通に理解していれば当然知っているはずだが、学生の中にはそうではない者もいるかもしれないと思い、丁寧な説明をより心がけるようになったのです」とあるが、これについて本文の内容を踏まえた上で、あなたの考えを200字以内で述べなさい(改行しないこと)。

人文社会科学部・人間文化学科

(一般後期)

教科型・課題文読み取り型 問題1. 次の文章(小田実著『「難死」の思想』)を読んで、後の問いに答えなさい。

(1) (1)a~eの片仮名を漢字に直しなさい。

(2)傍線部A「戦争の理念が国家の強制原理としてあるとき、それに対決し、抗する道は、より高次の人類の普遍原理に依拠することだろう」とあるが、人類の普遍原理に依拠して国家の強制原理に抗するとはどういうことか、本文の内容に即して60字以内で説明しなさい。

(3)傍線部B「被害者体験には重要な欠陥があった」とあるが、どういうことか、本文の内容に即して80字以内で説明しなさい。

(4)傍線部C「その自然な結果は、戦争体験というと、被害者体験をさし、それ以外のものをささないという視点の形成であろう」とあるが、これについて本文の内容を踏まえた上で、あなたの考えを200字以内で述べなさい(改行しないこと)。

 

問題2. 次の文章(橋本陽介著『使える!「国語」の考え方』)を読んで、後の問いに答えなさい。

(1)傍線部A「こうした作文」とはどのような作文か、わかりやすく60字以内で説明しなさい。

(2)傍線部B「そうだとすれば、まだ大人の勉強を知らないということである」とあるが、これについて本文の内容を踏まえた上で、あなたの考えを200字以内で述べなさい(改行しないこと)。

教育学部・学校教育教員養成課程 言語・社会教育系 国語選修

(学校選抜型)

テーマ型 問題. コンピュータ、インターネットなどの活用に代表されるICT(Information and Communication Technology/ 情報通信技術)の発達によって、わたしたちの生活における言葉のあり方にはどのような変化が生じると考えられますか。あなたの考えを800字以内で述べなさい。
教育学部・学校教育教員養成課程 言語・社会教育系 社会選修

(学校選抜型)

課題文読み取り型 問題. 次の文章(渡辺京二著『逝きし世の面影』)を読んで、後の(1)~(3)に答えなさい。

(1)問題の文章をもとに、明治期に来日した外国人が抱いた日本および日本人に対する印象について、200字以内でまとめなさい。

(2)チェンバレンは明治期に日本に滞在したイギリスの日本研究者である。彼が言う「貧困」とはどのようなものか、200字以内でまとめなさい。

(3)現代の日本の国際化と異文化理解の課題について、あなたの考えを400字以内で述べなさい。

教育学部・学校教育教員養成課程 教育実践科学コ―ス 言語・社会教育系 国語選修/社会選修/生活科学教育系 家庭選修、養護教諭養成課程 課題文読み取り型 問題. 次の文章(中島義道著『空間と身体―カント続解釈の冒険―』)を読んで、後の(1)~(3)に答えなさい。

(1)下線部①の「確固とした前提」とはどのような前提か、100字以内で説明しなさい。

(2)下線部②の「後者も同じ穴のムジナである」について、「後者」とは何か、100字以内で説明しなさい。

(3)本文では、他者との関係性を考える根幹に、自分以外の人も自分と同様に考えるに違いないという「同型性」の問題があるということについて述べられている。このことを踏まえて、教師と児童・生徒の関係性はどうあるべきか、本文の考え方や自分の体験に触れつつ、あなたの考えを600字以内で述べなさい。

農学部・地域総合農学科・地域共生コース

(学校推薦型)

教科型・課題文読み取り型 問題. 次の文章(朝永振一郎著『物理学とは何だろうか 上』)を読み、(1)~(4)に答えよ。

(1)下線部①の彼(ガリレオ)がアリストテレス以来の通説を疑った理由を75字以内で要約せよ。

(2)空気抵抗は、物体が球体で変形せず、また落下速度が著しく大きくない場合には、落下速度に比例することが知られている。その比例定数をk[kg/s]としたときに、落下速度V[m/s]の物体には、落下方向とは逆方向にkV[N]の空気抵抗が働く。下線部②について、任意の時間における樫の木の球と鉛の球の落下速度をともにv[m/s]にし、両者にはたらく空気抵抗が落下速度に比例する(比例定数をk[kg/s]とする)と考えたときに、樫の木の球の加速度(単位時間あたりの落下速度の増加)が鉛の球の加速度よりも小さいことを、両者に関する運動方程式を立てたうえで導け。なお、鉛の質量をM[kg]、樫の木の球の質量をm[kg](M>m)とし、また、鉛の球の加速度をA[m/s2]、樫の木の球の加速度をa[m/s2]とし、重力加速度の大きさをg[m/s2]とする。

(3)下線部③で、球の走った距離が一定時間間隔ごとに増大していくとき、静止位置からの走行距離と時間との間にはどのような関係が成り立つかを、1,3,5,…の和に着目しながら100字以内で説明せよ。

(4)下線部④について、ガリレオが観察に際して斜面を用いたのは、落下速度を大きくしすぎないことが目的であった。同じ目的のためには、斜面を用いる以外にどのような方法が考えられるか、100字以内で説明せよ。

 

問題2. 次の(1)(2)に答えよ。

(1)停止している列車の床に物体を静置した。列車の座席に座っている人から見ると、列車が出発するときに、この物体はどのような運動をするか。50字以内で説明せよ。なお、物体は床に対して滑らかに動くものとする。

(2)あるスーパーマーケットでは、のぼり・くだりのエスカレータのうち、くだりの速度を落として運転している。そうすることによって、くだりのエスカレータにおいてある状況が生じたときに発生しかねない危険をある程度回避することができるためである。のぼりのエスカレータでは特に速度を落とさずに運転していることを参考にした上で、以下の問いに答えよ。

①どのような状況においてどのような危険が発生しかねないのかを具体的に示せ。

②①について、速度を落とさない場合にくらべてなぜある程度回避できるのかを、150字以内で説明せよ。

③くだりのエスカレータで、速度を落とさずに運転し、しかも①に示した危険を回避するためには、たとえばどのような対策が現実的なものとして考えられるか。一つ挙げ、150字内で説明せよ。

2020 人文社会科学部・現代社会学科、法律経済学科

(推薦入試)

教科型・課題文読み取り型 問題. 次の英文(David Garland, The Welfare State; A Very Short Introduction)を読んで、(1)(2)(3)に答えよ。

(1)下線①と関連して、福祉国家の核となる要素とはどのようなものだと著者は述べていますか。本文の記述に即して200字以内の日本語でまとめよ。

(2)下線②と関連して、社会保障制度を経済運営との関係はどのようなものだと著者は述べていますか。社会保障制度の仕組みについて説明した上で、本文の記述に即して200字以内の日本語でまとめよ。

(3)下線③と関連して、一連の社会的保護とはどのようなものだと著者は述べていますか。その具体的な内容を、本文の記述に即して200字以内の日本語でまとめよ。

人文社会科学部・人間文化学科

(学校推薦型)

教科型・課題文読み取り型 問題1. 次の文章(橋本治著『「わからない」という方法』)を読んで、後の問いに答えなさい。

(1)a~eの片仮名を漢字に直しなさい。

(2)傍線部A「『わからない』とは『恥ずかしいこと』なのだ」とあるが、どういうことか、本文の内容に即して80字以内でわかりやすく説明せよ。

(3)傍線部B「二十世紀が終わると同時にやって来たのは、『幻滅』ではなく、ただの『現実』なのだ」とあるが、これについてあなたの考えを200字以内で述べなさい。改行はしないこと。

 

問題2. 次の文章(室橋裕和著『日本の異国――在日外国人の知られざる日常』を読んで、後の問いに答えなさい。

(1) 傍線部A「海外移住というのはたいてい、そうならざるを得ないものなのである」とはどういうことか。わかりやすく80字以内で説明しなさい。

(2)傍線部B「日本もようやくグローバル化とやらの時代に入っていく」とあるが、これについて本文の内容を踏まえた上で、あなたの考えを200字以内で述べなさい。改行はしないこと。

人文社会科学部・現代社会学科、法律経済学科

(一般後期)

教科型・課題文読み取り型 問題. 次の英文(Beth Shaefer Caniglia, Robert J. Brulle, and Andrew Szasz, “Civil Society Social Movements, and Climate Change” in Riley E. Dunlap and Robert J. Brulle eds., Climate Change and Society; Sociological Perspectives)を読んで、 (1) (2) (3) に答えよ。

(1)下線①と関連して、気候変動をめぐる運動はどのような点で多様であると筆者は述べていますか。筆者の考えを200字以内でまとめなさい。

(2)下線②と関連して、気候変動問題における市民社会の重要な役割は、IPCCにおいてどのように認識されていますか。本文の記述に即して200字以内の日本語でまとめなさい。

(3)下線③と関連して、市場や国家と比較すると、市民社会はどのような特徴を持つと筆者は述べていますか。筆者の考えを200字以内の日本語でまとめなさい。

人文社会科学部・人間文化学科

(一般後期)

教科型・課題文読み取り型 問題. 次の文章(小坂井敏晶著『増補 民俗という虚構』)を読んで、後の問いに答えなさい。

(1) a~eの片仮名を漢字に直しなさい。

(2)傍線部A「二つ以上の基準を同時に考慮に入れて分類しようとすると、とたんに困難が生じる」とあるが、なぜ困難が生じるのか、本文の内容に即して60字以内で説明しなさい。

(3)傍線部B「『ヨーロッパ人対非ヨーロッパ人』という図式を成立させる」とあるが、なぜそのような図式を成立させる必要があったのか、60字以内でわかりやすく説明しなさい。

(4)傍線部C「人類は、対象の客観的性質から直接規定されるような中立的概念ではない」とあるが、これについて本文の内容を踏まえた上で、200字以内であなたの考えを述べなさい。改行はしないこと。

 

問題2. 次の文章(三島由紀夫著『文章読本』)を読んで、後の問いに答えなさい。

(1)傍線部A「本の中をじっくり自分の足で歩いた」とはどういうことか、60字以内でわかりやすく説明しなさい。

(2)傍線部B「文章を味わうことは、われわれの歴史を認識することになるのであります」とあるが、これについて本文の内容を踏まえた上で、200字以内であなたの考えを述べなさい。改行はしないこと。

教育学部・学校教育教員養成課程 言語・社会教育系 国語選修

(推薦入試)

テーマ型 問題. 本を読むことで育まれる国語の力とは何だと思いますか。また、子どもに本を好きになってもらうためにはどのような支援が必要だと考えますか。あなたの考えを800字以内で述べなさい。
教育学部・学校教育教員養成課程 言語・社会教育系 社会選修

(推薦入試)

課題文読み取り型 問題. 次の文章(角山栄著『茶の世界史 改版 緑茶の文化と紅茶の社会』)を読んで、後の(1)と(2)について答えなさい。

(1)問題の文章をもとに、日本の銀とオランダの商業活動の関係について200字以内でまとめなさい。

(2)江戸時代における日本の鎖国とはどのようなものであったか、17世紀の世界経済を踏まえて、あなたの考えを600字以内で述べなさい。

教育学部・学校教育教員養成課程、養護教諭養成課程

(一般前期・小論C)

課題文読み取り型 問題. 次の文章(柳田邦男著『言葉の力、生きる力』)を読んで、後の問にすべて答えなさい。

(1)本文で述べられている「社会的なアイデンティティ」とはどういうことか、100字以内で説明しなさい。

(2)下線部の「そういうメディアの状況」とはどのような状況か、10字以内で説明しなさい。

(3)著者の考えを踏まえて、現代の高度情報化社会において良好なコミュニケーションを築くために必要なことは何か。そのために学校ではどのような教育がもとめられるか。あなたの考えを600字以内で述べなさい。

理学部・理学科 物理学コース、科学コース、生物科学コース、地球環境科学コース、学際理学コース 教科型・課題文読み取り型 問題1. 次の文章(出典なし。元素の歴史についてA4用紙1枚程度。)を読み、(1)~(5)に答えよ。

(1)下線部①にある、希ガスの性質について以下の用語を用いて説明せよ。

用語:不活性、反応、電子配置

(2)下線部②のβ線の透過力と電離作用の大きさについて、α線との違いを含めて説明せよ。

(3)14Cを用いた年代測定が可能である根拠として、大気圏と生物圏の間で、炭素循環が起きていることが挙げられる。地球環境における炭素循環について175字以内で説明せよ。

(4)さとうきびやトウモロコシなど現在の農作物から糖質やでんぷんなどの原料を発酵させて製造したエタノールに含まれる14Cの割合と、白亜紀(約1億4500万年前~約6600万年前)以前に堆積した地層に含まれる石油から精製したエタノールに含まれる14Cの割合は異なる。どちらが14Cの割合が高いか、理由も含めて説明せよ。ただし、12C、13Cおよび14Cの天然存在比は98.93 : 1.07 : 1.2×10-1214Cの半減期は5.7×103年であるとする。

(5)炭素や窒素などの安定同位体を測定することにより、環境中から生物への物質の循環を調べる方法があるが、窒素はどのようにして生物界に導入されるか、生物が行う仕組みについて述べよ。

 

問題2. A君は授業で先生から木星にまつわる話を聞いて大変興味を覚えた。次のⅠ~Ⅲの文章(出典なし)を読み、(1)~(4)に答えよ。

Ⅰの内容:ケプラーの法則の紹介

(1)図1のグラフからpとqを決定する方法を説明し、それらの値を求めよ。

(2)ハレー彗星は、非常に大きな長半径の楕円軌道に沿って運行し、75年ごとに太陽に接近する。ハレー彗星の軌道の長半径は地球の公転軌道の半径のおおよそ何倍か推測せよ。

Ⅱの内容:ケプラーの法則が木星の衛星について成り立つかどうかを検証する計算方法の紹介

(3)表2はイオを基準の衛星として、古くからしられている木星の衛星の軌道の長半径と公転周期の値をまとめたものである。図1を参考にして、表2に与えられた木星の衛星のデータを解答用紙の両対数グラフに描け。グラフは手書きでよい。また、得られたグラフをもとに、木星の衛星について、式(1)の関係が成り立つか否かについて理由とともに述べよ。

Ⅲの内容:木星の衛星で食の起きる周期が変化するの、光が有限であるからではないかという考えの紹介

(4)イオの食の周期の変化を、続いて起きる二つの食の周期の差と定義する。食の周期の変化が最大になるのは、図2に模式的に示すように、地球と木星を結ぶ直線が、地球の公転軌道の接戦と重なるときで、このとき地球が木星から遠ざかる速さは太陽の周りの地球の公転軌道の速さと一致すると考えてよい。イオの食の周期の変化の最大値を15秒、太陽の周りの地球の公転軌道の速さを3.0×104m/sとして、光の速さを求めよ。解答は結果だけでなく、導出過程も含めて記述せよ。

2020-2021年度の茨城大学の小論文傾向

小論文の種類は、教育学部・学校教育教員養成課程の言語・社会教育系国語選修のみテーマ型で、それ以外はすべて課題文読み取り型でした。また、課題文読み取り型の場合も多くは国語か英語の教科型との併用でした。学部ごとに傾向と対策をまとめています。

人文社会科学部の傾向と対策

現代社会学科と法律経済学科は英語の教科型と課題文読み取り型でした。内容は英語の文章を読み、その内容を合計600-650字の日本語でまとめるものでした。問題がすべて本文内容の要約なので、小論文というより英語の二次試験です。

しかも、受験生自身の考えを聞く設問がありません。ですから、対策はシンプルです。英語の文章を読み、内容を日本語でまとめる練習をしましょう。英文のテーマは「レイシズム」「福祉」「気候変動」など、典型的な人文系です。人文系のネタ本を読んで大まかに知識を入れておけば、課題文を非常に読みやすくなります。

人間文化学科は大問2つで、国語の教科型と課題文読み取り型でした。漢字の小問5つと本文内容についての記述問題、受験生自身の考えを記述する問題で、字数は合計で600字程度でした。こちらも、現代文の二次試験のような内容がメインで、それに小論文の問題が加わっているような構成でした。

人間文化学科については文章読解と要約の練習以外に、課題文読み取り型の小論文の練習もしておきましょう。小論文のパートは200字指定です。字数が少ないので段落分けをあまり意識せず、自身の意見・それに対比させる意見を書くようにしましょう。論拠や例は1つに絞り、接続詞も最小限に抑えて簡潔に書きましょう。

教育学部の傾向と対策

学校教育教員養成課程・言語・社会教育系・国語選修は2年ともテーマ型、他は課題文読み取り型でした字数はいずれも700-800字以内でした。内容は、学校教育教員養成課程・国語専修が言語に関して、同じく社会専修が文化や歴史に関して、他の学校教育教員養成課程が人間関係・コミュニケーションに関して、でした。

問題のテーマはいずれも教育現場を想定しているようで、他大学の教育学部と同傾向でした。違いは、AIなどの時事ネタが入っていないことです。『小論文・面接の時事ネタ本―教育・教員養成系編』などのネタ本を読んで背景知識を得つつ、新聞の特集欄なども目を通しておきましょう。斬新なアイデアや国際的な視点を求める学部ではない分、教育に関わる知識の広さと視点が求められます。

農学部・理学部の傾向と対策

2020年度の理学部、2021年度の農学部ともに、教科型と課題文読み取り型のセットでした。課題文のテーマも理科(物理、化学)の知識を使う内容でした。小論文というより、理科の記述問題です。

物理や化学の勉強をまずがんばりましょう。基礎知識を言葉で説明できるようにしておくのはもちろん、問題の解答が「なぜそうなるのか?」を書くようにしておきましょう。その問題の解き方を知らない人に説明するつもりで箇条書きにしてみると、ポイントやその思考順が明確になります。そうなれば、理科と小論文両方の勉強になり効率的です。

小論文の書き方についてはこちらでも紹介しています。
小論文の書き方 手早く合格を取れる小論文の書き方とは?塾関係者が例文付きで解説!

まとめ

いかがでしょうか。茨城大学の小論文入試は、取り組みやすいと言えます。本格的な小論文は教育学部のみで、他学部は二次試験対策の延長程度で十分です。だからこそ、他の受験生と差をつけるのが難しそうです。字数やテーマと内容の一致などはもちろん、小さな減点を減らすことが合格への条件になりそうです。

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