正解はあるの?失敗しない文系理系の選び方

現在高校1年生の人や、これから高校に入学するという人。文理選択って知っていますか?
知らない、聞いたことはあるけど中身はよく知らない、という人が大半ではないでしょうか。

文理選択というのは高校の授業選択で、文系・理系を選びます。
実は、文理選択は2-3年後の大学入試に直結しています。大学入試に直結しているということは、大学卒業後の就職にも大きくかかわっているのです。

そんな大事な、大事な文理選択が、早くも高1の終わりにあるのです。大抵の高校1年生は「なんとなく」で文理選択をします。
ですが、なんとなくで決めてしまうと、後々後悔することにもなりかねません。

そこで今回は、失敗しない文理選択の仕方を紹介します。現在高校1年生の人や、これから高校に入学するという人、もぜひ参考にしてください。

文系、理系ってどう違う?

高校に入ると文理選択があります。大学入試の学部を文系にするか、理系にするかの選択です。文理選択によって高校で受ける授業も変わり、その先の大学入試や将来就く仕事も変わります。

文理選択とは何か、その選択で何がどう変わるのかを説明いたします。

文系学部の例
文学部 心理学部 教育学部 社会学部 神学部
外国語学部 教養学部 外国語学部 法学部 経済学部
経営学部 商学部 国際学部 芸術学部 などなど

 

理系学部の例
理工学部 医学部 看護学部 スポーツ学部 建築学部
情報学部 農学部 芸術工学部 法学部 経済学部
経営学部 商学部 国際学部 薬学部 などなど

文理選択の時期

文理選択は、高1か高2の12月にします。どちらの時期になるかは高校によって違います。高校の先生との学期末懇談で、文系・理系どちらにするか聞かれます。

いきなり聞かれても「?」になりますから、大抵の高校では入学以降に文理選択のガイダンスを行っています。資料も渡してくれますので、その資料には目をとおしておきましょう。

賢い子は理系?

文理選択の時期になると、クラスのなかも少しざわつきます。大方は、「文理選択って何?どうする?」という情報交換です。みんな判断のしようがなく、困って誰かに聞くというのが文理選択のあるあるです。

そして大抵の高校では、「成績上位の子はなんとなく、理系を選ぶ」という結論に落ち着きます。理系学部が文系学部より大学の偏差値やランクが上だと思われているからです。

「みんなそうしているから自分もそうしよう」と考えるのは、やめておきましょう。大学の偏差値は、決して「理系>文系 」になっているわけではありません。医学部の偏差値の高さや獣医学部の合格しにくさが突出していますが、それ以外は文系も理系も同程度です。

文系と理系のどちらが上かではなく、それらの違いを知ったうえで賢い選択をできるようにしておきましょう。

入試科目の違い

将来の仕事内容が違うため、大学入試の科目も違っています。おおむね、下記のようにわかれています。

MEMO
  •  文系:英語、国語、地歴公民
  •  理系:英語、数学、理科
私立大学やほとんどの国公立大学の一般入試では、これらが入試科目です。大学によって多少科目が異なっています。理系で国語が必要な大学や、文系で数学を選択できる大学もあります。

入試科目が文系・理系で異なっているため、文理選択後は高校で受講する科目も変わります。文系は英語・国語・地歴公民の授業数が多くなり、理系は英語・数学・理科の授業数が多くなります。

また、看護学科のように、英語・数学・国語から選択して受験する学部・学科も一部あります。そういう学部・学科志望者の多い高校では、専門コースを設けている場合もあります。

数学が得意なら理系、国語が得意なら文系?

最後に、よくある文理選択の基準を紹介します。数学が得意な子は理系を、国語が得意な子は文系を選びがちです。決め手がない場合によくそうした選択の仕方が勧められます。

この選び方でもいいのですが、「数学・理系」「国語・文系」とセットになっていると捉えないほうがいいです。

塾でよく聞かれるのは、「薬学部志望だけど数学が苦手。大丈夫でしょうか」といったものです。薬学部は理系ですが、数学が苦手でもまったく問題ありません。数学が苦手な理系の子も、国語が苦手な文系の子もいます。

数学が苦手でも医学部医学科に合格している子も毎年多数います。

誰でも得意科目・苦手科目はあります。数学や国語が苦手なら、英語やほかの科目でその分の点数も取ればいいだけです。逆に、理系で数学が抜群に得意でも、国語や地歴公民で大きく点数を下げてしまうと第1志望は厳しくなるかもしれません。

たとえば共通テストで合格者の平均得点率が8割の大学・学部を志望しているとします。英語8割、数学9割取れても、国語が6割だと合計で8割を切ります。理科と地歴公民で8割以上取らないと第1志望大学をあきらめざるを得なくなるかもしれません。

私立専願でも同様です。数学が得意でも英語でビハインドを作ってしまえば、合格可能性を大きく下げてしまいます。

大学入試では、大きく苦手な科目をつくらないようにしましょう。得意科目でつくれる貯金はたかが知れています。合格ラインにプラス1割ぐらいです。ところが苦手は果てしなく点数を下げます。

先ほどの国語の例だと2割下げていますが、3-4割ぐらい下げてしまう受験生もいます。

また、理系でも読解力は求められます。国語の点数と読解力はイコールではありませんが、読解ができないと、文系・理系問わずきわめて不利になります。

得意・苦手科目だけで文系・理系を決める必要はないのです。

オススメの文理選択の方法

ここまで、文理選択の違いについて説明しました。ではどうやって文理選択をすればいいかというと、以下の3つの優先順位で決めましょう。

  1. 就きたい仕事がある
  2. やりたいことがある
  3. 上の大学にいきたい
まず、文理選択の1番王道の決め方として、将来就きたい仕事で文系・理系を決めます。医師になりたい、弁護士になりたい、理学療法士になりたいなど、将来の夢が決まっていたらそれに沿って文系・理系を選びます。

将来就きたい仕事は決まっていなくてもやりたいことがあれば、それに沿って文理選択をしましょう。人と関わりたい、人を喜ばせたいという希望があれば文系のほうがいいでしょう。世界を変えるような発明や発見をしてみたい、パソコンいじりが好きだと思うなら理系でしょう。

将来就きたい仕事もやりたいこともまだ決まっていないという子は、1つでも上のランクの大学を目指すのがオススメです。この場合には、数学が得意なら理系にしておくというのは無難な選択です。

ただし、前述のように、「大きな苦手科目をつくらない」という点を意識しておいてください。

まとめ

いかがでしょうか。高1や高2の終わりには文理選択を聞かれます。まだ将来の仕事や大学・学部を決めていない子が多い時期です。文理選択の仕方がわからず、「なんとなく」選んで損をしている子が毎年たくさんいます。

文系・理系のどちらが正解というわけではないので、よく調べて考えて、納得のいく選択をできるようにしましょう。

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