筑紫女学園中学校は、福岡県内でも伝統ある私立中高一貫校として注目されています。本記事では、同校の偏差値や入試情報、進学実績などについて詳しく解説します。受験を検討されている方や、志望校選びに迷われている方の参考になれば幸いです。
筑紫女学園中学校の基本情報
筑紫女学園中学校は、福岡市に位置する私立の女子中高一貫校として注目を集めてきました。中学校から高校まで一貫した学習カリキュラムで学べるため、大学入試を見据えた長期的な学習が見込めます。
学校概要と特徴
筑紫女学園は、「親鸞聖人が明らかにされた仏陀(釈尊)の教え、すなわち浄土真宗の教えにもとづく人間教育」を建学の精神としています。校訓である「自律」「和平」「感恩」は、その精神をあらわしたものです。
勝者を生み出すシステム教育をするのではなく、弱さや苦しみに喘ぐ側に寄り添うこともできる強くしなやかな女性を目指して、自己を磨き時に失敗をしながら共に育つ場が、筑紫女学園中学校・高等学校であるとしています。
仏教系の教育理念をもとに、生徒一人ひとりの品格と人間性を育むことを大切にしています。中高一貫教育を導入しているため、大学受験に向けた基礎学力の形成だけでなく、長期的な人格形成に適したカリキュラムが整備されています。長い歴史と伝統に支えられつつも、デジタルリテラシー教育やグローバルマインドの獲得にも力を入れており、新しい時代に対応できる女性を育てるための体制が整えられています。
さらに、STEAM教育やグローバル教育に力を入れており、ICTの活用や英語教育の強化など多面的な学びが可能です。実社会と連携した特別講座や探究学習の機会もあり、生徒たちは興味を深めた分野についてより実践的に学ぶことができます。仏教校としての伝統行事や礼法だけでなく、新しい教育プログラムを積極的に導入する姿勢が、同校の強みと言えるでしょう。
コース制度もあり、中学校入学後は「Ⅰ類・Ⅱ類」の習熟度別のクラスに所属します。中学3年生からは、医学と科学の分野を深く学ぶ「医進・サイエンス」コースが増えます。
口コミや評判によると、筑紫女学園中学校の指導はきめ細かく、講義の時間数も多いため、バランスの良い学習を確立しやすいという声があります。仏教系の伝統行事や礼法の時間には厳かな雰囲気がある一方で、生徒同士のコミュニケーションは比較的自由で温かく、多くの友人を作りやすいといわれています。部活動も活発で、自分の興味を伸ばしながら新しい仲間と出会う機会が充実しているため、学校生活全体を通じた居心地の良さを感じている生徒が多いようです。
学校沿革と所在地
1907年(明治40年)に私立筑紫高等女学校が開校しました。これが筑紫女学園の始まりになります。1991年(平成3年)に筑紫女学園中学・高等学校の中高一貫教育体制になりました。現在は筑紫女学園大学や、筑紫女学園大学附属幼稚園も設置されています。
筑紫女学園中学校は福岡県福岡市中央区警固に位置し、電車だと地下鉄七隈線「桜坂」駅や、地下鉄空港線「赤坂」駅が最寄り駅になります。どちらも徒歩約7~13分程度で通いやすい立地にあると言えるでしょう。バスの利用も停留所が近くにあり、利便性が高いので通学に便利です。
入試情報
2026年度の入試情報は以下の通りです。
募集人員 | 第1学年 140名 |
試験内容 | 国語(50分・100点) 算数(50分・100点) 理科(40分・75点) 社会(40分・75点) |
出願資格 | (1)令和7年3月に小学校卒業見込みの女子児童で、原則として保護者のもとから通学できる者 (2)中高6か年教育を希望する者(全員が筑紫女学園高等学校へ進学する中高一貫校) |
偏差値情報
筑紫女学園中学校の偏差値は、おおよそ偏差値54程度とされています。合格難易度は極端に高いわけではありませんが、毎年一定の受験者数が集まるため、しっかりとした学習計画と対策が必要になります。
小学校で基礎学力をしっかりと固め、そのうえで応用問題にも対応できる力を身につけることが望ましいでしょう。多くの受験生は塾や家庭教師を活用し、学校の過去問演習から同校独自の出題形式に慣れる対策を行っています。志望者が一定数集まる学校のため、志望度が高い方は早めの学習スケジュールを組むことが合格への近道になります。
福岡県内での偏差値比較
福岡県内には複数の私立中学校が存在し、筑紫女学園中学校はその中でも中学受験において比較的高い偏差値帯に位置しています。女子校だけに限定するとトップクラスです。ただし、学校ごとに教育方針やカリキュラムに特色があるため、偏差値だけでなく学校の雰囲気や指導方針なども総合的に判断することが大切です。
入試対策としては、過去問に触れることが出題形式や難易度の肌感をつかむ近道になりますので、計画的に演習を行い、徐々に仕上げていきましょう。
塾や家庭教師を利用することで、学校だけではカバーしきれない受験のノウハウを得ることができるでしょう。特に苦手科目がある場合には、専門の講師のもとで学習を進めることで、効率的に得点力を上げることが期待できます。自宅学習では問題演習とテキストの復習の比率を考え、週単位や月単位のスケジュールをしっかりと決めることで、学習ペースを崩さずに続けやすくなります。
中学校進学後の学習について
進学後の学習ポイントや使用教科書などは、以下をご確認ください。
進学実績
筑紫女学園中学校からは、系列の筑紫女学園高校を経て、全国各地の大学へ進学しています。
国公立大学では東京大学を始め、九州大学、北海道大学、大阪大学、神戸大学、横浜国立大学、筑波大学、北九州市立大学、福岡県立大学、大阪公立大学など、九州地区を中心に、全国の難関大学への合格実績があります。
私立大学では、慶應義塾大学、早稲田大学、上智大学、東京理科大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学など東西の難関大学への合格実績があります。
系列校である筑紫女学園大学や、佐賀大学、長崎大学、大分大学、熊本大学などの九州地区の国立大学、福岡大学、西南学院大など地元の私立大学に進学する生徒も多く見られる傾向です。
まとめ
筑紫女学園中学校は、福岡県内でも古い歴史と仏教精神に基づく特色ある教育で知られ、中高一貫ならではの連続性ある学習プログラムを提供しています。偏差値は中堅からやや上位に位置し、堅実な人気を誇るため、合格には計画的な対策が必須です。受験生が目指すべき学力水準や学校生活への期待を明確にし、基礎固めと応用力の養成にバランスよく取り組むことで、合格へと近づけるでしょう。
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