中学受験において最も重要とされる科目は「算数」です。中学受験で合格するためには、算数の深い理解と効率的な学習法が不可欠です。論理的思考力と計算力を要求されるため、早い段階からの準備が成功の鍵となります。本記事では、中学受験の算数対策について、「どのように取り組めばよいのか」を完全に攻略する方法を詳細に解説します。受験生の皆様が効果的に勉強を進める手助けとなれば幸いです。
目次
中学受験における算数の特徴
中学受験において、算数は非常に重要な科目の1つです。しっかりと特徴を理解し、対策を講じることが成功の鍵となります。
小学校の算数とは大きく異なるということは理解しておきましょう。中学受験の問題がより論理的思考力や応用力を試すものであり、小学校の授業では扱わないような広範な範囲にわたる問題が頻繁に出題されるのです。
中学受験を目指す場合、小学校の算数だけに頼るのではなく、受験用の教材や特別な指導を受けることが不可欠です。塾や家庭教師の利用が一般的になってきているのはこのためです。
早い段階でやっておくべきこと
中学受験に備えて、早い段階から基礎を固めることが重要です。中学受験では応用力が求められるため、基礎がしっかりしていないと難易度の高い問題に対応できなくなります。小学校低学年のうちに基本的な計算や四則演算を確実にマスターしておくことを目標としておきましょう。また、図形の基礎や簡単な文章題を解く練習も早期に開始することで、有利になります。
難関校ではないとされる、偏差値が高くないとされる中学校を受験するにしても、小学校の算数問題よりは難易度の高い入試問題が出題されます。今からやっても間に合わない!とならないために、早い段階から準備をしておくに越したことはないでしょう。
計算力をつける
中学受験においては、計算力をつけることが重要です。計算力は問題を解くスピードや正確さを意味しますが、テスト序盤の計算問題を正確に素早く解くことができると、後半の複雑な文章問題で時間をしっかり取ることができます。特殊算はいつから始めたらいいの?という声もよく聞きますが、まずは計算力をつけてからでないと太刀打ちできません。
算数以外の理科の問題でも計算力が役立つことが多いため、全体的な学力向上につながります。中学受験に向けて計算力を鍛え、効率的かつ正確に問題を解決する基礎を作りましょう。
小学校低学年の間に、毎日の家庭学習として計算ドリルを習慣にすることがおすすめです。これにより計算力が自然に身に付きます。
苦手意識を持たせない
子供に算数への苦手意識を持たせないことは、中学受験を成功させるために非常に重要です。苦手意識があると学習の意欲が低下し、結果として成績が伸びなくなるという悪循環に陥ってしまうからです。
算数の問題が解けた時には必ず褒めるようにしましょう。褒めることで自信をつけさせ、算数に対する苦手意識を軽減することができます。算数が得意になるお子様は苦手意識がそもそも無いので、自信を持たせることは非常に重要です。
中学受験の算数が苦手で点数がとれない子の特徴
中学受験において、算数が苦手で点が取れない子どもには共通する特徴があります。この節では、その特徴を解説し、算数の成績向上を目指します。算数が苦手と感じる子は、問題に直面した際に共通するパターンがあります。これらのパターンを理解することで、効果的な対策が可能です。
問題文をきちんと理解していない
多くの子どもが算数の問題文をちゃんと理解していないために、正解に辿り着けないことがあります。問題文を正しく読むことができないと、何を問われているのかを正確に把握することが困難になり、不適切な解答に繋がってしまいます。また、問題文の読み取り力は、算数に限らず他の教科にも影響を及ぼします。
「2つの数の合計が30で、差が10である2つの数を求めよ」という問題文を正確に理解していないと、合計や差の意味を勘違いして誤答してしまいます。問題文をしっかりと読む練習で、何を問われているのかを正確に理解し、適切な解答を導き出す力を身につけることができます。
解き方をイメージすることができない
中学受験の算数において、イメージして解くことができない子は大きな壁にぶつかります。イメージ力がないと、問題の本質を理解するのが難しく、解答にたどり着く過程が混乱しがちです。
図形の問題や旅人算では、頭の中で図を描いたり、人や物の動きをイメージすることが必要になります。
図形の問題では、立体図形や平面図形の面積比を考える際にその形状や関係性を視覚的に把握する力が求められます。また、旅人算では人や物がどのように移動するかを時間や距離の軸で考えられるかどうかが重要です。
イメージ力を鍛えるためには、普段から図や絵を描いて問題を解く練習を取り入れることが重要です。具体的な方法としては、教科書や参考書の解説部分を活用し、問題を解きながら自分で図を描く習慣をつけることです。
重要な単元と解き方のコツ
一つ一つの単元について理解を深め、それらを効率的に学ぶことが合格への近道です。
以下ご紹介するのは、中学受験算数においての頻出単元です。ここの単元を重点的に勉強することで、確実に得点力を強化することができます。
図形
図形問題は頻繁に出題され、その解法には多くの基本的な概念や公式が含まれています。一度理解すると、多くの派生問題にも対応できます。
例えば、円や三角形、四角形の面積と周囲の求め方、中点や高さといった基本的な知識を理解することで、複雑な図形問題も解けるようになります。正三角形の面積や内接円・外接円にまつわる問題は受験でも頻出です。これらの基礎知識がしっかりしていれば、部分分けによる解法や補助線の利用、さらには相似や合同を利用した解法にも対応しやすくなります。
割合
割合の概念はさまざまな単元で応用され、実生活でも頻繁に使用されます。
商品の価格が20%引きになった時に、元の価格からの割引額や最終的な支払額を正確に計算できる能力は、日常生活においても役立ちますね。
問題を解く際に基本的な計算力や応用力が試されることが多いです。例えば、つるかめ算や旅人算などの計算問題においても、割合の理解が不可欠となります。基礎を固めることで、複雑な問題にも臆せず取り組むことができるようになります。
具体的には、「5個のリンゴのうち、3個が赤いリンゴである。」という問題では、「赤いリンゴの割合は何%か」を計算する必要があります。このようなシンプルな問題から始めて、徐々に難易度を上げていくことで、割合の理解を深めることができます。
比
水の中に塩を溶かした濃度算や速さと時間を求める旅人算など、多くの問題で比の概念を使った解法が求められます。
初めて学ぶ小学生にとっては、比の概念が抽象的で理解しにくいことがあります。具体的な例や日常生活でも使えそうなシチュエーションから始めて、徐々に複雑な問題に取り組むことが効果的です。
また、比の問題を解く際には、問題文を丁寧に読み、何を求められているのかを正確に把握することが大切です。ミスを避けるために、初めて解く問題でも焦らず冷静に取り組む姿勢を身につけることが重要です。
つるかめ算
つるかめ算は中学受験の重要な単元の一つであり、理解を深めることが合否に影響します。つるかめ算は算数の中でも頻出の問題形式であり、基本的な考え方を理解することで他の問題にも応用できるからです。
つるとかめが合わせて10匹いて、その合計の足の数が28本だとします。この場合、つるとかめの頭の数と足の数を使って、それぞれの動物が何匹いるかを計算します。具体的には、つるの足が2本、かめの足が4本であることを利用し、方程式を立てて解きます。このようにしてつるかめ算の問題を理解・解決できるようになることは、他の数学的問題にも通じます。
旅人算
旅人算は多くの学校で頻出される問題です。合否を左右する可能性が高いと言われる単元でもありますね。
A地点からB地点へ向かう車とB地点からA地点へ向かう電車がどこで出会うかを求める問題があります。このような問題では、速さの合計や時間の関係を整理して計算する必要があります。速さに関する基本的な公式を理解し、それを使って実際の問題に応用することが求められるのです。
速さ = 距離 ÷ 時間という基本公式を確実に理解することが第一歩です。問題を通じて速さや距離の関係を都度確認しながら解くように心がけると、問題のパターンがつかみやすくなります。パターンを理解し、短時間で正確に解答できるようになることを目標にしましょう。
濃度算
濃度算は実生活に密接に関わり、液体の混合問題などを通じて論理的思考力を養うため、受験において出題頻度が高いです。
濃度算の問題を多く解き、パターンを把握することで、効率的に得点力を向上させましょう。食塩水の問題では、「塩の重さ」と「水の重さ」の関係と「塩水全体の重さ」をイメージする練習が不可欠です。また、蒸発や追加などの条件がついた問題も多いため、部分的な変化も考慮に入れながら解く力を養いましょう。
中学受験の算数の効率的な勉強法とは?
計画的に多様な問題に取り組むことが重要です。さまざまな問題形式に対応できるようになることで、試験本番での応用力が増すからです。標準問題、応用問題、難問といった異なるレベルの問題をバランスよく解きましょう。
過去問を解く
過去問を解くことは中学受験の算数対策において非常に重要です。過去問を解くことで、出題傾向や難易度、問題の形式に慣れることができ、試験本番でのパフォーマンス向上に役立ちます。
過去問を確認することによって、学校によっては特殊算が必要か、割合に力を入れるべきかどうか、など判断できるので、学習方針を立てることもできます。
偏差値や傾向の近い志望校以外の過去問を解くことも、中学受験の算数の例題として利用できます。
模擬試験に参加する
模擬試験を通じて、実際の試験環境や時間配分を体験することができ、試験本番での緊張を軽減することができます。
例えば、本番の試験時間に合わせた環境で模擬試験を行うことで、時間管理や集中力の持続が難しい点をあらかじめ確認し、改善策を取ることができます。
模擬試験を繰り返し行うことで、自分の弱点を把握し、効率的な対策を立てることができます。模擬試験の結果を振り返り、自分がどこで失点しているかを明確にすることで、効果的な復習やスキルアップが可能になります。
模試について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
首都圏の中学受験向け模擬試験16選! 実施日程(実施月)も一挙紹介
中学受験のための塾の選び方
お子様だけで勉強していても、学習内容を理解するまでに時間がかかってしまい、結局時間を無駄にしてしまっているなら塾に通うことを提案しても良いでしょう。もう塾に通っていて、成績が伸び悩んだり、お子様に合っていないと感じたなら転塾を考えるのも良いかもしれません。
塾にも様々な形態があります。お子様に合った塾を選びましょう。
集合塾
学校と同じように講師対多数の生徒で授業を行い、授業の進度も比較的早く、学習範囲を効率的にカバーできます。同じ状況の生徒と切磋琢磨してモチベーションが上がりやすいですが、友人が多い環境なら集中力が削がれてしまうこともあります。過去問演習時に志望校のピンポイント対策ができない場合もありますので確認しておきましょう。
個別指導塾
講師対少数生徒、もしくはマンツーマン授業なので、苦手な単元をコツコツつぶしていくなど丁寧なフォローが期待できますが、その分授業のペースは遅くなりがちになります。志望校合格に定評のある講師がいれば良いですが、そうでない場合は他塾を探すなどしてもいいかもしれません。体験授業などを受けて、担当講師がどういった授業をするのか確認しておくと良いでしょう。
家庭教師
講師が自宅に来てくれるので通塾時間の削減ができ、マンツーマン授業が基本なので、きめ細やかな授業が受けられます。特殊算のような難問についても、しっかり解説してもらえるでしょう。ただ、住んでいる場所によっては優秀な講師が来れなかったり、高額になってしまうケースもあります。
オンライン家庭教師
家庭教師のメリットを受けながら、講師が全国から選定できますので、家庭教師のデメリットも解消されます。志望校の指導に定評のある講師や、志望校出身の講師を選んで授業してもらえることもあるでしょう。ただオンラインなので、講師が近くにいないと集中できない生徒には不向きかもしれません。
中学受験に向けてオンライン家庭教師をおすすめする理由
中学受験に向かう小学生には、「オンライン家庭教師」をおすすめしています。その理由を以下に記載していますので、ぜひお子様の状況と当てはめてご検討ください。
マンツーマンで質問ができる
オンライン家庭教師は基本的にマンツーマン指導です。集団が苦手な小学生でも、自分のペースで安心して受講できるので、学習を継続しやすく成績アップも狙いやすいです。
集合塾だと、生徒が多く質問対応がなかなか難しいこともありますが、マンツーマン授業だと、解き方がわからない問題でも繰り返し教えてもらうことができますし、質問してもすぐに答えてもらえることも大きなメリットです。中学受験の算数の苦手を克服するには、一番いい授業形態ですね。
志望する中学に強い講師を探しやすい
オンライン家庭教師であれば、全国から志望校への合格実績豊富な講師を探してマッチングしてもらえます。教え方があわない場合も相性の良い講師を探しやすいです。
志望校出身の講師や実績豊富な講師、相性の良い講師に受験対策を行ってもらうことで、ほかの小学生よりも有利に受験を進められます。
志望中学の入試傾向を把握して、その傾向に強い講師を探すことも可能です。
通塾の必要が無いので塾の併用がしやすい
中学受験において、受験に特化した集合塾に通うメリットはとても大きいですが、質問がしにくかったり、授業進度が早いので自分のペースが乱れたりということもあります。
個別指導塾を併用先として選択するケースも多く、その選択もまったくもって間違ってはいません。ですが、通塾場所が2か所以上になるのは、お子様の負担が大きいというデメリットにもつながります。
オンライン家庭教師は、インターネット上の映像通話システムで授業を行うため、自宅でも受講できます。通塾の必要がなく、学習の負担を最小限に抑えられます。あわせて、全国から優秀な講師を選べるので、受験生にとって非常に魅力的な選択肢ではないでしょうか。
まとめ
中学受験の算数対策として、基礎的な計算力の強化から始まり、効率的な勉強法や重要単元の理解を深めることが重要です。
特に立体図形、面積比や、つるかめ算、旅人算などの特殊算分野では、計算力だけでなく設定の工夫や問題を整理する力が求められます。また、過去問の解法や苦手な問題の反復練習も欠かせません。これにより、点数アップや正答率の向上が期待できます。
中学受験に専念したい方、集合塾との併用をお考えの方には特に、オンライン家庭教師がおすすめです。
その他、塾選びについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
小学生が後悔しない塾の選び方ランキング! 塾選びで失敗しないためのポイントは?【お悩み診断付き】
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