国語はとても重要な教科です。文章読解力や語彙力を鍛えれば、国語の成績アップだけではなく、他教科にも良い影響を与え、成績の底上げにつながります。ただ、そうはいっても伸び悩むのが「国語」です。漢字がなかなか覚えられなかったり、長文読解や記述問題に苦戦するのです。本記事では、国語力をアップさせるための具体的なアプローチと、合格に向けた効果的な勉強法を解説します。国語を得意科目に変えるコツを押さえ、自信を持って志望校合格を目指しましょう!
目次
高校受験国語の基本対策
高校受験国語で高得点を目指すためには、基本をおろそかにせず、計画的に対策を進めることが重要です。国語の問題は、漢字や語句の基礎知識問題、長文読解問題、古文・漢文など多岐にわたるため、それぞれの特性に合わせた学習が求められます。問題形式やテーマを把握し、効率的な練習を重ねることで得点力を大きく向上させましょう。
漢字や熟語を暗記する
漢字や熟語などの語句の基礎対策は、高校受験国語の得点力を確実に向上させる第一歩です。漢字や語句の問題は短時間で解答できるため、ここで得点を確保することで長文読解や記述などの応用問題に集中できるようになります。
慣用句もしっかり覚えておきましょう。「胸をなでおろす」を例にあげると、まず意味を知っておかないと文章の理解ができませんし、「心配していたことがなくなり安堵すること」を何というか?と聞かれたときに、答えることができません。
漢字や熟語、慣用句の暗記を日常の学習習慣に取り入れることが重要です。漢字ドリルやノートを用い、毎日少しずつ反復することで、記憶の定着が期待できます。見慣れない漢字や言葉を見つけたら、メモを取る習慣をつけておきましょう。これらを理解して覚えていけば、語彙力を着実に増やすことができます。
定期的なチェックテストも効果的です。自分の弱点を把握することができるので、それを重点的に補う学習を続けると、漢字・熟語・慣用句の基礎力が固まってきます。
長文読解方法を理解する
長文読解では、文章全体の構造や内容を迅速かつ的確に理解することが求められます。高校受験国語では、長文読解が配点において大きな影響を持つため、短時間で要点を把握し、正しい解答を導き出さなくてはいけません。近年の入試では、環境問題や社会的テーマが扱われることが多く、それぞれの段落の役割や構造を理解する力が得点の鍵となります。そのため、文章を段落ごとに分析し、前後のつながりや筆者の主張を整理する学習を心がけましょう。
さらに、文中の要点を見抜き、設問の意図に合わせた解答をするための学習も必須です。問題文が求める情報を文章全体から正確に探し出す能力は、長文読解の得点力に直結します。たとえば、選択問題では適切な選択肢を見極める力、記述問題では設問の意図を正確に把握し、関連する部分を見つけて自分の言葉で要約する力が求められます。これを身につけるためには、日々の学習の中での記述練習が効果的です。また、文章を読みながら重要な箇所にマークをつけるなど、注目する習慣をつけて理解を深めることも重要です。
長文読解は焦らず冷静に取り組むのがポイントです。特に設問を読む際は、何が問われているのかを正確に理解し、その上で文章全体や該当部分を読み直す学習を繰り返しましょう。
古文・漢文の基本を固める
古文と漢文を得意とするには、基礎的な文法をしっかりと理解することが重要です。
古文ではまず、歴史的仮名遣いのルールを覚えましょう。現代仮名遣いへの変換ルールを知っておかないと文章が読めません。頻出単語もあわせて覚えておくと、後々の受験勉強が楽になります。
その後に助動詞や助詞の働きを理解しましょう。文章全体の内容や時制、筆者が意図する主張を正しく読み取るのが難しくなるからです。一例をあげると、助動詞「けり」は過去を意味するものと、詠嘆を意味するものがあります。使い方や意味をマスターすることで、物語の背景や展開を深く理解できます。
漢文は都道府県や学校によっては出題されないケースもあります。まずは志望校の過去問を確認しておくと良いでしょう。過去の高校入試問題がダウンロードできる都道府県や学校もありますので、必ずチェックしておきましょう。
漢文の基本は句形や返読文字などの特定のパターンの暗記です。基本的な句形を確実に覚えると、文章解釈のスピードと正確性が格段に向上します。主語が誰なのかを間違えないように注意することも大切です。
入試頻出の『徒然草』や『論語』などを音読し、「耳」でその文の流れを覚えていくと効果的です。記憶に定着しやすくなり、さらに試験に出題されたときの対応力も飛躍的に高まります。その結果、重要なポイントやテーマも自然と思い出しやすくなります。
高校受験を成功させる国語勉強方法
読解力や語彙力、記述力の基礎を確実に身につけることが必要です。これらの力を効果的に高めるためには、適切な勉強方法や知識の定着法を理解し、継続的に実践することが大事です。ここでは、国語の学習を効率的に進めるための具体的な方法とそのポイントについて解説します。
効率的に語彙力を強化する
語彙力は高校受験の国語において重要な要素です。毎日の学習計画にこれらを組み込み、基礎的な練習と体系的な復習を繰り返しましょう。覚えた語彙や漢字を実際の文脈で活用する習慣を持つことも効果的です。
漢字や語彙力の習得には、反復練習が鍵を握ります。一度覚えたつもりでも時間が経つと忘れてしまうことが多いため、定期的に復習を重ねる必要があります。例えば、毎日5~10分程度の短時間でいいので、学んだ内容を繰り返し学習するのがおすすめです。また、間違えた漢字や苦手な語彙は記録しておくと、自分の弱点が明確になり、そこを重点的に復習することでミスを減らすことができます。
読解力を鍛える
文字通り「読み解く力」を養うためには、文章の構造や要点をとらえる学習が効果的です。読解力は、他教科の学習にも直結する基礎的なスキルであり、受験においてもその重要性は非常に高いといえます。文章全体の思考の筋道を適切に理解し、主張や論点を素早く掴むことで、正確な答えを導くことができるのです。
まず、「段落の構造を理解する」ことを意識しましょう。段落ごとに筆者が述べていることを箇条書きして整理することで、文章内容が明確になりやすくなります。また、接続語や指示語を意識し、各部分がどのように関連しているかを把握する練習もおすすめです。例えば、「しかし」や「なぜなら」といった言葉から文脈を逆算的に追求する方法に慣れることで、読解力が着実に向上していきます。
論説文や説明文では書き手の主張、根拠、結論が明確に区別されていることが多いです。そのため、段落ごとに整理し、主張がどの部分に述べられているのか、どのような理由や根拠が示されているのかを意識することが大事です。このとき、段落ごとにメモをとり、それぞれの役割を分類する方法が役立ちます。例えば「第1段落は主張」「第2段落は理由」「最終段落は結論」といった形でメモを作成すれば、全体の流れを簡単に把握することができ、設問に対する理解も深まるでしょう。
さらに、「文章を要約する」ことも読解力を鍛えるために必要なステップです。文章を読み終えた後、要点を短い文章で書き出すことで内容の核心をしっかりと押さえることができます。
まずは短い文章を読み、要約してみましょう。その後、新聞記事やエッセイなど読む文章を長くしていき、50字程度の短い文章で要約していくと良いでしょう。
記述問題・作文対策をする
記述問題や作文は、まず設問の意図や条件を正確に理解することが重要です。回答を作成する際は、指示された文字数や根拠となる本文の箇所に注意を払いつつ、自分の意見を論理的に整理し、明確な構造を持つ文章を書くことが求められます。特に、主語と述語の関係や接続語の使い方に注意しながら、具体的な事例や根拠を挙げることで説得力のある回答を作成しましょう。
採点者の視点を考慮し、明確で簡潔な文を書くことが重要です。採点者は多くの答案を確認するため、内容が一目で伝わる表現が求められます。簡潔に記述することで、論点が明確になり、読みやすさが向上します。例えば、「なぜ人物がそのような行動を取ったのか」という問いに対しては、「理由は〇〇である。それは△△と考えたからだ」という具体性を添えた構成が適切です。
問題文に忠実に答えることも重要です。問題文が求めている範囲を逸脱してしまうと、部分点すらもらえない場合があります。「作者の気持ちを具体的に述べなさい」という設問で、個人的な意見や背景説明に時間を割きすぎると、採点基準を満たさなくなる可能性があります。このような場合は、問題文に示されている方針に従い、その意図を正確に反映した記述を心がけましょう。問題文を繰り返し読み、注目すべき要素を確実に押さえることが適切な答案の土台になります。
記述した文章、作文は必ず添削してもらうようにしましょう。記述力を効率的に向上させるための非常に有効な手段だからです。他者からの視点や指摘を受けることで、自分では気付けない弱点やミスの傾向に具体的に気付くことができます。また、他者の目線から指摘された箇所は、自己流では曖昧に理解していた部分を明確にできます。
たとえば、教師や塾講師からの添削で具体的なアドバイスを受けた場合、次回からそれらを意識して改善することで文章の構成力が高まります。模範的な解答例と比べて自己採点した場合では見逃されがちな誤りも、プロの指摘により正確に把握できます。これにより受験本番でも正確な記述力が発揮できるようになり得点力が上がるでしょう。高校受験の作文・記述問題の書き方を理解しておくと、合格に大きく近づきますよ。
国語力強化のための日常習慣
国語力は短期間で習得するのが難しいため、日常生活での習慣づくりが大切です。読書や新聞の購読、文章を書く練習を取り入れると、語彙力や読解力、表現力を自然と高めることができます。これにより国語の基礎力を充実させ効率的な学習が可能となります。
読書習慣
読書習慣を日常に取り入れることで、効率よく読解力を向上させることができます。読書は語彙力を増やし、文章の構造や文脈を理解する力を培うために非常に有効です。また、多様な文章に触れることで、表現力や思考力が養われ、受験勉強だけでなくその後の学びにも役立ちます。日々15分でも好きなジャンルの本を読む習慣をつけると、無理なく継続できるでしょう。その際、本を読んだ後に簡単な要約を書く癖をつけると、文章をまとめる力が向上し、受験対策にも有効です。
さらに、得た読書内容を実際の勉強や試験に役立てることが重要です。読書を通じて培った知識や考察力は、長文読解、記述問題対策になります。また、読書中に気になった表現や新しい単語をメモして、その単語や表現を使った文を自分で作成する練習を取り入れることで、表現力の幅が広がります。これによって、テスト問題にも活用できる応用力が養われます。
新聞を読む習慣
新聞や新聞内コラム記事を読むことは、国語力向上の鍵となります。これらの文書は正確な言葉遣いであることと、文章の構成がしっかりしているので、語彙力や文法の理解を深めることができます。また、新聞記事やコラム記事には時事問題や社会的なテーマが取り上げられており、現代社会の動きを知りながら読解力と思考力を鍛えることが可能です。
例えば、国語のテストに社会問題を扱った長文問題が出題される場合、新聞やコラムを日常的に読んでいる受験生は、テーマへの理解が深いだけでなく、文章の要点をつかむスピードも速くなるでしょう。また、これらの文章に触れることで、論理的な思考力や意見を明確に述べるスキルが磨かれ、記述問題への対応力も高まります。
日記を書く習慣
日記や短文を書くことで、文章表現力を向上させることができます。日々の簡単な記録でも、自分の感情や考えを整理し、言語化する習慣を身につけることは、文章を書く基盤を築くために非常に役立ちます。このような練習は、表現力を自然と鍛え、記述力や作文力の向上につながります。
例えば、毎日1〜2行程度、自分の生活や感想について書き留めることから始めてみるのがおすすめです。簡単な内容で構いません。このように何気ない出来事を短文で綴ることで、自分の中の感情や考えを適切に表現する練習ができます。
また、日記を書く際には辞書や類語辞典を活用することで、語彙力を増やすことも可能です。例えば、「楽しい」という言葉を「嬉しい」「心が踊る」「感動した」など、より具体的な表現に置き換えることを意識すると良いでしょう。この過程で言葉の使い方やニュアンスを学び、一つの物事を多角的に伝える力を養うことができます。
試験直前から本番までの心構え
試験直前は焦りが募る時期ですが、重要項目の再確認を行いながら、基礎知識を確実に固めることが効果的です。同時に、時間配分を意識した模擬演習を繰り返すことで、本番への自信を養うことができます。問題解き方も復習しながら、得点源を押さえる努力を続けましょう。
基本事項の再確認をする
国語は読解だけでなく漢字や語彙、文法など幅広い分野から出題されますが、試験本番で安定したパフォーマンスを発揮するためには、こうした基本事項をおさえておくことが重要です。特に漢字の読み書きや高頻出の文法ポイント、古文の助動詞活用などを重点的に確認することで、苦手意識を減らし試験本番での安心感を向上させられるでしょう。基礎をしっかりと見直すことは、スムーズな解答と得点力の底上げに直結します。
頻出の漢字・熟語・慣用句、古文と漢文の文法を暗記できているかの確認だけでも、受験本番に大きく役立ってくれることでしょう。学校で使っていた国語の教科書ワークを見返すことも、高校受験の国語対策としては有効です。
解答の時間配分を意識しておく
国語の試験では長文読解や記述問題といった手間のかかる設問が多く、時間が足りなくなるケースがしばしば発生します。そのため、事前に時間配分の練習をすることで、焦らずに問題へ対応し、スムーズな進行を保つ力を身につけることができます。
具体的には、全体の制限時間を問題数、問題内容で割り振り、それに沿って模試や過去問に取り組む方法が効果的です。例えば、長文読解に何分、漢字や文法問題、作文に何分かけるといったペース配分を決め、時間を意識して問題を解く癖をつけましょう。この練習によって、読解や記述に時間を取られすぎず、全体をバランスよく見渡す力が養われます。
さらに、過去問や模試は、試験本番前の予行練習になります。同じような形式や時間配分で解答することを意識しながら訓練を重ねることで、試験を疑似体験することができます。これにより、緊張感の中での集中力や問題を解くスピードが養われ、本番に自信を持って取り組むことが可能になります。受験直前には特に意識して過去問に取り組んでください。模試を受ける際には、制限時間内でしっかりと問題を解いた後、間違えた箇所について再度解き直しを行い、復習すべき単元をチェックしておきましょう。
まとめ
高校受験国語で合格を目指すためには、まずは基礎をしっかりと固めることが重要です。基礎が固まることで、長文読解や作文など難易度の高い問題にも立ち向かうことができます。
これまで紹介してきた学習法やテクニックを参考に、計画的な学習を進めていきましょう。基礎から応用へと着実にステップアップし、得点力の向上を目指してください。また、試験直前には模試や過去問などを活用した最終確認を行い、本番で安定した力を発揮できるよう準備を整えましょう。こうした着実な取り組みによって、志望校合格という目標に一歩ずつ近づくことができます。
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