高校受験は人生の大きな転機であり、その結果はその後の進路に大きな影響を与えます。そのため、多くの受験生とその保護者が「どうやったら志望校に合格できるだろう？」と考えます。
高校受験に成功するためには、長時間勉強の時間を作るだけではなく、その時間を効果的に使うことが非常に重要です。
本記事では、高校受験において効果的な勉強時間の確保と管理方法について、具体的なテクニックや実例を交えながら紹介します。これによって、受験生のお子様のお力になれれば幸いです。
目次
理想的な勉強時間の目安
高校受験を乗り切るためには、理想的な勉強時間の目安を知ることが重要です。具体的にどの程度の時間を勉強に充てるべきなのでしょうか？
偏差値70台の高校を目指すのか、偏差値50台の高校を目指すのかによって、受験勉強の時間は変わると思われていますが、実際は現状の立ち位置、つまり現状の偏差値と志望校の偏差値がどれだけ乖離しているかによって勉強時間、勉強内容は変わってきます。
「受験勉強をいつから始めたら間に合うの？」「中3の夏休みに全然勉強していないけど大丈夫ですか？」といったご質問にも、現実の偏差値と志望校の偏差値がどれだけ離れているかによるので、答えは人それぞれです。
本記事は、一般的によくある「今の偏差値では志望校まで足りない」という学力を前提とした、勉強時間の目安としてお考え下さい。
これからお話する以下内容は、お子様が受験生となる中学3年生の場合です。
平日の勉強時間
平日の勉強時間は、学校の授業や部活動とのバランスを取りましょう。平日は学校生活が中心となるため、勉強時間が限られています。このため、限られた時間を最大限に活かすための工夫が必要です。
例えば、「朝早く起きて問題を解く時間を設ける」と効果的です。集中できないなら早めに学校に行って勉強しても良いですね。時間は1～3時間程度を目途にしましょう。1週間ごとに具体的なスケジュールを組むことで時間を有効に使うことができます。これにより、短い時間でも質の高い学習を実現し、成績アップにつながります。
通学時間や休み時間を利用して英単語を覚えたり、スマートフォンを使って動画で予習をするなど、スキマ時間の有効活用も重要です。
放課後に学校の自習室や塾で勉強することもスケジュールに組み込んでおきましょう。
平日のコツコツ積み重ねた学習が、定期テストにも大きな影響を及ぼします。決して平日の学習を怠らないようにしましょう。
休日の勉強時間
休日には平日よりも長時間の勉強時間を確保することが重要です。休日は学校の授業や部活動がないことが多いため、勉強に充てられる時間が多く取れます。これにより、平日取り組めていなかった課題や追加で応用演習などを行いやすくなります。平日に消化できなかった学習内容を一気に消化する日にしても良いでしょう。
夏休み、冬休みなどまとまった長期休暇の際は、さらに勉強時間を増やし、5時間～8時間を目安に受験勉強を進めましょう。
自分だけで学習するのが難しいと思ったら、塾の夏期講習や冬期講習を利用するのも良いでしょう。
実際の勉強時間の統計例
他の学生がどのくらい勉強しているかを把握することは、自分の勉強時間の目安になります。ベネッセ教育総合研究所の調査によると、平均的な高校受験生の平日の勉強時間は2～3時間、休日は5～6時間というデータがあります。この統計を見ると、平日は学校の授業や部活動があるため、どうしても勉強時間が限られ、2～3時間程度が一般的ですが、休日にはまとめて勉強時間を確保していることが分かります。
入試直前期になると、学習時間をさらに確保する必要があります。上記の休日時間同様の勉強時間を心がけましょう。
実際の統計を基にして、自分の生活リズムや学力に合った勉強時間を設定することが、志望校合格への鍵となります。
教科・科目別の勉強時間配分
高校受験においては、各科目のバランスを考えて勉強時間を配分することが重要です。教科・科目ごとの特性や自身の得意不得意に応じて適切な時間を割り当てることで、効率的に学力を伸ばすことができます。数学、英語、国語、理科・社会の各教科におけるおすすめの時間割りやポイントを紹介します。
数学の勉強時間
数学の勉強においては、1日あたり最低でも1時間の学習が必要です。数学は積み重ねが重要であり、毎日の学習を怠ると理解が遅れたり、忘れてしまったりするからです。
数学の理解と定着を図るためには、日々の継続学習が不可欠です。例えば、1時間の学習時間には、問題を解く時間と解答の見直し時間を含めるなど、効率的な学習スタイルを取り入れることが大切です。毎日コツコツと学習を続けていきましょう。
英語の勉強時間
英語の勉強時間は、毎日1〜2時間を目安に確保することが重要です。週末にまとめて勉強するのではなく、日々少しずつ取り組むことで、効率的に語学力を向上させることができます。英語は語学の一つであり、継続的な学習が成果に直結します。
学習サイクルの例として、1日に1時間をリスニングとリーディングに、さらに30分を単語の暗記に充てると、総合的な学力がバランスよく向上します。
4技能（聞く、話す、読む、書く）をバランスよく取り入れた勉強時間の配分によって、学力向上が見込めます。苦手な分野がある場合は、その分野を重点的に復習することをおすすめします。
毎日の地道な努力は、英検などの検定を受ける際にも役立ってくれるはずです。
国語の勉強時間
国語の勉強時間は継続的に確保することが重要です。国語は読解力や表現力を養う科目であり、日々の積み重ねが成果につながります。学習例として、毎日30分漢字の学習、その後30分、読解問題を解いたり、感想文を書く習慣をつけるとよいでしょう。文章に対する理解力が向上します。国語の勉強を習慣化することで、他の科目にも役立つ基礎力・文章読解力を身につけることができます。
理科・社会の勉強時間
理科と社会は、暗記や理解が必要な範囲が広いため、一度に大量の情報を詰め込むのではなく、毎日少しずつ進めることで学習効率が上がります。
具体的には、理科の学習では毎日一つの単元に集中する方法が効果的です。一つの単元に絞ることで、理解を深め、その単元に関する知識を確実に定着させることができます。同様に、社会では一日に特定の歴史や地理、公民の分野を学習するようにしましょう。これにより、記憶の定着がスムーズになり、理解も増すでしょう。
勉強時間の質を高める方法
勉強時間を確保するだけでなく、その時間の質を高めることが合格への近道です。ここでは、勉強時間の質を最大限に引き上げるテクニックについて詳しく解説します。
集中力を高める
勉強中の集中力を高めるためには、まず環境を整えましょう。静かな場所を選ぶことで、外部の雑音や妨害を最小限に抑えることができます。スマートフォンを遠ざけ、通知が入らないようにすることも効果的です。
効率的な勉強法を取り入れる
効率的な勉強法を選ぶことは、高校受験の成功に向けた重要なステップです。勉強方法は一人ひとり異なるため、自分に合った方法を見つけることが、成績向上と長期的な学習のモチベーション維持につながります。
効率的な勉強法を選ぶためには、試行錯誤が必要です。例えば、ある教材が自分に合わないと感じた場合、他の教材を試してみたり、塾に通っている場合、塾の教え方が自分に合わないと感じたなら転塾を考えても良いでしょう。また、勉強時間のバランスも考慮に入れて、自分がどの時間帯に最も集中できるかを把握し、その時間に重点的に勉強するのも効果的です。
学校の先生や、塾の講師に勉強方法のアドバイスをもらうのも有効な手段の一つでしょう。
休憩を適度にとる
勉強の成果を最大限に引き出すためには、適切な休憩を取り入れることが重要です。長時間の連続した勉強は集中力を低下させ、効率を著しく下げてしまいます。また、過度な疲労が蓄積すると、精神的にも身体的にも悪影響を及ぼします。
適切な休憩を取り入れることで、勉強効率を高め、長時間の勉強を持続可能にしましょう。
勉強時間を管理するための方法
勉強時間を効率的に管理することは、高校受験において成功を収めるためには不可欠です。
勉強時間を管理するための方法として、スケジュール作成と時間管理、進捗の見える化とモチベーションの維持について詳しく解説します。
スケジュール作成と時間管理
効果的な勉強時間の確保には、スケジュール作成と時間管理が不可欠です。予定を立てることで無駄な時間を減らし、効率を最大化することができます。特に受験生は限られた時間を有効に使う必要があります。
たとえば、一週間の計画を立てて、どの教科をどれだけ勉強するかを具体的に決めることで、バランスの良い勉強が可能になります。数学や英語など、得意科目と苦手科目の時間配分を明確にすることで、効果的に学習を進めることができます。また、時間を割り振るだけでなく、復習の時間も組み込むことで理解を深めることができます。例えば、一日一時間を復習に充てることで、前日に学んだ内容がしっかりと定着します。
スケジュールを立てることで、勉強時間をきちんと管理し、効率的に活用しましょう。スケジュールには柔軟性を持ち、予定通りに進まなかった場合はその都度調整することも大切です。目標達成に向けて、自分に最適なスケジュールを見つけることが成功のカギとなります。
進捗の可視化とモチベーションの維持
勉強の進捗を可視化することで、モチベーションを高めやすくなります。目に見える形での進捗が確認できると、自分がどれだけ努力してきたかを実感しやすく、達成感や満足感が得られやすくなります。また、目標達成までの距離が具体的にわかることで、今後の計画も立てやすくなります。
例えば、毎日の勉強量を専用のノート、もしくはスマートフォンのアプリに記録することで、日に日に積み上がっていく進捗が目に見えてわかります。これにより、今日はどこまで進んだのか、どの科目が特に進捗しているのかが一目瞭然となり、自己評価がしやすくなります。進捗の可視化は、モチベーションを維持しやすくする重要な手段です。
さらに、家族や友人と協力して進捗を共有することで、お互いに励まし合いながら学習を続けることも可能です。友人との情報共有や競争心がモチベーション向上に繋がりやすいのです。
このようにして進捗を見える化し、自分の努力を実感できるようにすることで、モチベーションを高く保ちながら受験勉強を続けることができます。
保護者の協力
保護者と受験生のお子様が共に協力して勉強時間を確保することは、受験成功のために非常に重要です。どのようにサポートすればよいかを詳しく見ていきましょう。
家庭環境を整える
勉強に集中できる家庭環境を整えることが重要です。静かで整理された環境は集中力を高め、効率的に勉強するために必要です。
例えば、勉強部屋を定期的に片付けたり、誘惑の強いテレビやタブレット、スマートフォンなどを別の部屋に移すことが効果的です。保護者の方が預かっておくのも良いでしょう。
さらに、適切な照明や温度調整も勉強には大切です。薄暗い部屋や適度な温度管理がなされていない部屋では、集中力が低下しやすくなります。自然光を取り入れることや、適宜換気を行うことで、快適な勉強空間を維持することが可能です。
保護者のサポートでモチベーションを高める
保護者の態度やサポートは、お子様の学習意欲やモチベーションに大きな影響を与えます。例えば、お子様が勉強している間に親が励ましの言葉をかけたり、適切なタイミングで休憩を提案したりすることが挙げられます。また、教科書や参考書を一緒に確認してあげても良いでしょう。学校の先生や塾の講師にアドバイスをもらった上ででも構いません。
保護者が積極的に関わることで、お子様は一人ではないと感じ、モチベーションを維持しやすくなります。できるなら、保護者が一緒に勉強（資格など）してあげることで、お子様は一人だけで勉強しているわけではないと感じて、難しい問題に取り組む意欲も増していきます。ただ、過度な干渉は逆効果を招くので、バランス感覚は必須になりますね。
保護者の適切なサポートは、お子様の学習成果を大きく向上させるだけでなく、勉強に対する前向きな姿勢を育む助けにもなります。そのため、親自身も学習に関する情報を積極的に収集し、お子様にとって最適な環境を提供することが大切です。
お子様に合った塾を探す
お子様だけで勉強していても、学習内容を理解するまでに時間がかかってしまい、結局時間を無駄にしてしまっているなら塾に通うことを提案しても良いでしょう。
塾にも様々な形態があります。お子様に合った塾を選びましょう。
集合塾
学校と同じように講師対多数の生徒で授業を行い、授業の進度も比較的早く、学習範囲を効率的にカバーできます。同じ状況の生徒と切磋琢磨してモチベーションが上がりやすいですが、友人が多い環境なら集中力が削がれてしまうこともあります。
個別指導塾
講師対少数生徒、もしくはマンツーマン授業なので、苦手な単元をコツコツつぶしていくなど丁寧なフォローが期待できますが、その分授業のペースは遅くなりがちになります。
家庭教師
講師が自宅に来てくれるので通塾時間の削減ができ、マンツーマン授業が基本なので、きめ細やかな授業が受けられます。ただ、住んでいる場所によっては講師が来れなかったり、高額になってしまうケースもあります。
オンライン家庭教師
家庭教師のメリットを受けながら、講師が全国から選定できます。志望校のレベルや、出身学校の講師を選んで授業してもらえることもあるでしょう。ただオンラインなので、講師が近くにいないと集中できない生徒には不向きかもしれません。
高校受験に向けてオンライン家庭教師をおすすめする理由
高校受験に向かう中学生には、「オンライン家庭教師」をおすすめしています。その理由を以下に記載していますので、ぜひお子様の状況と当てはめてご検討ください。
マンツーマンで落ち着いて受講できる
中学生は思春期に突入するため、周囲の生徒からの視線が気になったり、学力を比較して落ち込んでしまったりすることもあります。
オンライン家庭教師は基本的にマンツーマン指導です。ほかの生徒とは関わる必要がなく、落ち着いて受講できます。
多感な中学生や集団が苦手な中学生でも、自分のペースで安心して受講できるので、学習を継続しやすく成績アップも狙いやすいです。
志望する高校に強い講師を探しやすい
地元の塾に通う場合、必ずしも志望する高校への合格実績がある講師がいるとは限りません。
オンライン家庭教師であれば、全国から志望校出身の講師や、志望校への合格実績豊富な講師を探してマッチングしてもらえます。教え方があわない場合も相性の良い講師を探しやすいです。
志望校出身の講師や実績豊富な講師、相性の良い講師に受験対策を行ってもらうことで、ほかの中学生よりも有利に受験を進められます。
部活と習い事を両立しやすい
部活動や習い事も中学校生活においてはとても重要です。ただ、勉強と両立できずにすべてが中途半端になるケースも少なくありません。
オンライン家庭教師は、インターネット上の映像通話システムで授業を行うため、自宅でも受講できます。通塾の必要がなく、学習の負担を最小限に抑えられます。部活や習い事に疲れて塾に向かう気力が出ないといった事態も防ぎやすいです。
学業に専念しながら部活と習い事を両立したい中学生には特に、オンライン家庭教師がおすすめです。
さらに詳細が知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。
中学生が知っておきたい塾の選び方ランキング！ 高校受験に失敗しない塾選びの基準は？【お悩み診断付き】
オンライン家庭教師は中学生におすすめ？ メリット・デメリットを詳しく解説！
まとめ
高校受験の成功には効果的な勉強時間の確保と管理が重要です。理想的な勉強時間を設定し、科目別にバランスよく配分することが成果を上げる鍵となります。また、集中力を高めながら効率的に勉強し、適切な休憩も取り入れることで、勉強の質を向上させることができます。
これまでの内容を参考にして、具体的なスケジュールを作成し、過ごす時間を効果的に管理しましょう。また、親や周囲のサポートを受けながら、困難を乗り越えていくことが大切です。
今後の学習に向けては、継続的な見直しと調整が欠かせません。進捗を定期的に確認し、目標に向けて一歩一歩前進することを心がけましょう。また、高校受験が終わった後も、この学習習慣や勉強方法を生かして、高校生活に進んでいくことが重要です。大学受験はここからスタートだと認識しておきましょう。総合型選抜などの推薦入試で大学合格を狙うなら、1年生から評定が低くならないように気を付けなくてはいけません。
高校受験が不安なら、塾などを利用することも検討してみましょう。教育のプロにアドバイスを受けたり、レベルの高い講師から授業を受けることで、伸び悩んでいた成績がぐんと上がることも珍しくないからです。体験授業だけでも、気になる塾があれば参加してみても良いですね。「オンライン家庭教師」は中学生にピッタリの学習形態です。もちろん弊社サービスの「Axisのオンライン家庭教師」でも体験授業を実施しております。お気軽にご参加ください。
