私立中学生の定期テスト対策法:英語編

私立中学生の保護者の方からよく、「ウチの子は英語が足を引っ張っている」と相談を受けます。私立中学の英語は公立中学にくらべて進度が早いだけでなく、内容が特殊なケースもよくあります。

そこで、今回は私立中学の定期テスト(中間テスト・期末テスト)の英語で、絶対押さえておきたいポイントと対策方法をまとめました。ぜひ参考にしてください。

英語のテスト勉強で押さえておくべき2つのポイント

ほかの科目にくらべて、定期テスト(中間テスト・期末テスト)の英語の出題内容は種類が多いです。

  1. 単語・慣用句
  2. 文法
  3. 教科書本文
  4. 英作
  5. 実力問題(初見の長文)
  6. リスニング

種類がたくさんあると、どこから手をつけていいか困りますよね。まず押さえるポイントは「単語・慣用句」と「文法」です。

ベネッセの調査で、英語が苦手な中学生が中学1年でつまずきやすいポイントとして、以下の3項目が上位に挙がっています。

ランキング つまずいている理由 あてはまると答えた人の割合
1位 文法が難しい 70.1%
2位 英語の文を書くのが難しい 63.6%
3位 単語を覚えるのが難しい 62.9%

出典:ベネッセ教育総合研究所「中高生の英語学習に関する実態調査2014」 https://berd.benesse.jp/up_images/research/Teenagers_English_learning_Survey-2014_ALL.pdf

英作も長文読解もリスニングも、単語と文法の知識がベースです。英語が苦手な人は、最初に単語と文法でつまずいたために、そのあとに出てくる長文読解も英作もリスニングも苦手になっているのです。

ですから、英語を得意にするには、まず単語と文法を得意にしましょう。そうすれば、その知識を土台にして英語全体を得意にしていけます。

単語・慣用句の暗記方法

単語・慣用句を5回ずつ10回ずつ書いて覚えている人はいませんか。この方法も悪くはないのですが、時間がかかりますよね。しかも、数日たつと半分ぐらい忘れてしまうこともしばしば。

実は、何回も書いて覚えようとするより、「全問正解するまでテストをする」ほうが早く確実に覚えられるのです。

テストの仕方はシンプルです。下記手順で、英⇒日、日⇒英で全問正解するまでテストをします。

  1. 英単語の和訳をサラっとみる
  2. 和訳をノートなどで隠す
  3. 英⇒日でテストをする
  4. 満点になるまで、繰り返しテストをする
  5. 日⇒英も、満点になるまでテストをする

テストよりも暗記作業に時間を使うほうが早く覚えられる気がするかもしれませんが、後日の復習時間を考えると、テスト中心に暗記をするほうが短時間で済みます。

今は単語の暗記に時間をかけられても、学年があがるごとに英単語数は増えていきます。下図をご覧ください。

  新たに習う単語数 合計単語数
小学校 600-700語 600-700語
中学課程 1600-1800語 2200-2500語
高校課程 1800-2500語 4000-5000語
大学受験で必要な単語数 4000-5000語
難関大学受験で必要な単語数 6000-7000語

中学⇒高校⇒大学受験で、単語数が3倍にもなります。英単語の暗記に時間をかけていると、文法や長文などの勉強に時間をまわせなくなります。早いうちに、時間のかからない単語の暗記方法を身につけておきましょう。

文法は「違い」を意識して解く

ひとくちに「文法」といっても、実に多岐にわたります。

中学課程 be動詞・一般動詞・現在形・過去形・進行形・未来形・助動詞名詞代名詞前置詞接続詞・疑問詞・不定詞動名詞比較いろいろな文型受動態現在完了形分詞関係代名詞関節疑問文・付加疑問文・仮定法
高校課程 文型・いろいろな文の種類・基本時制・完了形助動詞受動態不定詞動名詞分詞・使役動詞・知覚動詞・分詞構文・関係代名詞・関係副詞・仮定法接続詞間接疑問文・区と節・話法・名詞・冠詞・代名詞・強調・否定・前置詞比較

中学課程だけで23種類、高校課程でさらに26種類の文法を習います。これだけ種類がありますから、1つ1つきちんと復習して、後々にためこまないようにしましょう。

また上記の表をよくみると、中学課程と高校課程で同じ(かぶる)名称の文法がいくつもあるのがわかります。表のなかで線を引いた単元がそうです。

線を引いていない文法も、名前がかわって高校課程で出てきます。ですから、中学で文法を得意にしておけば、高校でも文法を得意にしやすくなるのです。

ではどうすれば中学の間に文法を得意にできるかというと、複数の文法を一緒に勉強するのです。

一般動詞を習っているときはbe動詞の問題も解きます。

MEMO
  • 一般動詞を大問1つ解く
  • 次はbe動詞の大問を1つ解く
 

これを繰り返すだけです。大問ごとに解くと効果的ですが、面倒だという方はページごとに交互に解いても大丈夫です。

何かを理解しようとするときには、ほかとの違いを区別すると理解しやすくなりますよね。「be動詞はこうだけど、一般動詞はこうなる」

と、違いを確認しながら勉強してみましょう。

私立中学は教科書に合わせて対策しよう

単語と文法が得意なのに、定期テスト(中間テスト・期末テスト)の点数がのびなやむ私立中学生がよくいます。原因は教科書の対策が不十分なためです。

私立中学と公立中学では、採用している教科書がよく違っています。特に、『NEW TREASURE』『PROGRESS IN ENGLISH21』を採用している私立中学では要注意です。

下記の表に特徴をまとめています。

  検定教科書との違い
NEW TREASURE ・単語数が2倍以上(3000語以上)

・高校英文法も入っている

PROGRESS IN ENGLISH21 ・文法が体系立っていない

(出てきた文法をその都度勉強するスタイル)

・題材は小説、物語、会話に偏っている

『NEW TREASURE』『PROGRESS IN ENGLISH21』それぞれの特徴にあわせた対策が必要です。

『NEW TREASURE』の対策

付属の「文法問題集」「ワークブック」「音声CD」を使って復習しましょう。

学校から宿題で出されていなくても、授業で習った範囲はその日のうちに「文法問題集」「ワークブック」で復習してください。

音声CDは、音声に合わせてシャドーイングしましょう。音声の1-2秒あとに続いて、自分も発声するのです。1回目は教科書を見ながらシャドーイングし、2回目以降は教科書をみずにシャドーイングします。

教科書をみなくても音声に続いてスラスラと発声できるようになるまで、これを繰り返してください。

『PROGRESS IN ENGLISH21』の対策

文法と構文の理解がカギです。

教科書に文法の説明があまり載っていないので、市販の文法問題集を準備しましょう。説明が詳しく、1人で読んで理解できそうなものを選びましょう。

また、本文内容をそのまま理解することを目指している教科書です。1文ごとに英語で何と言っていて、それは和訳するとどういう意味なのかを頭に入れておきましょう。

定期テスト(中間テスト・期末テスト)でも、本文の穴埋めや本文内容についてもよく聞かれます。

シャドーイングを繰り返せば、そうした問題にもスラスラと解答できるようになります。

まとめ

いかがでしょうか。中学受験をがんばった子は、短時間で理解する力がかなり高まっています。その分、暗記を軽視してしまう子も多いです。しっかり暗記して、コツコツと復習する習慣をつくるようにしましょう。

単語と文法を完璧にし、教科書に合わせた対策をすれば、着実に英語力はついていきます。英語を得意科目にして、中間テスト・期末テストでいい点数を目指しましょう。

完璧にする方法がわからない、自分のスケジュールや学校に合わせた対策をはじめたい方は、ぜひ弊社ホームページをご覧ください。