総合型選抜入試とは? 入試内容やスケジュール日程、一般選抜入試との違い、対策などを解説!

総合型選抜入試は一般選抜と違って選抜方法が大きく異なります。早いうちから制度の仕組みを理解して対策を講じることが重要です。今回は、総合型選抜入試の概要をはじめ、入試内容のパターン、おおよそのスケジュール日程、高1~高3の対策を解説します。夏の対策や小論文の対策についても触れているので、入試に向けた準備にお役立てください。

総合型選抜入試とは?

総合型選抜入試とは、筆記試験だけでは判定しにくいポテンシャルを見極めるための試験です。志望学部・学科に対する適正や入学後の学習意欲、目的意識、言語化能力なども重視されます。引き続き、入試内容のパターンとおおまかなスケジュール日程を解説します。

入試内容のパターン

入試内容のパターンは主に下記の通りです。

・書類審査+面接

・書類審査+学力試験+面接

・書類審査+小論文試験+面接

・書類審査+学力試験+小論文試験+面接

・体験授業+書類審査+面接

総合型選抜入試は一般選抜と違い、小論文や面接などの試験が組み込まれており、出願書類とあわせて総合的に審査されます。科目に関する模擬講義の受講が求められるケースもあります。

スケジュール日程

総合型選抜入試では、9月1日以降に出願するのが一般的です。出願受付が始まってから順次1次選考で書類審査が行われ、2次選考で面接や小論文試験などが行われます。

共通テストを課さない大学では11月あたりから、共通テストを課す大学では2月あたりから合格発表が行われます。手続きは翌年の春に向けて順次行われます。

ここで挙げたスケジュール日程はあくまでおおよその概要であり、詳細は各大学の入試要項についてご確認ください。

総合型選抜入試と一般選抜入試の違い

総合型選抜入試に対する理解を深めるには、通常の大学受験で主流となっている一般選抜入試との違いを知る必要もあります。

まず、おおまかな違いを比較表にまとめてみます。

比較項目 総合型選抜入試 一般選抜入試
概要 多角的な観点から大学が求める人物像に適した生徒を選抜 学力試験で合格基準点に到達した生徒を選抜
出願条件 課外活動や評定平均値など独自の基準を満たす必要がある 高校卒業や卒業見込みなど最低限の学歴を満たす必要がある
実施時期 9月~11月 1月~3月

一般選抜入試は、主に学力試験の得点をもとに選抜する入試制度です。

総合型選抜入試と違い人物像までは細かく確認されず、純粋な学力が試される傾向にあります。最低限の学歴を満たせば出願できるので、受験申請のハードルは低いです。

時期にも違いがあり、一般選抜入試が1月~3月におおよそ実施されるのに対して、総合型選抜入試は9月~11月のように先駆けて実施される傾向にあります。

受験の準備で慌てないよう、出願条件や実施時期の違いは確実に理解しておきましょう。

総合型選抜入試の状況

令和5年度の文部科学省の委託調査では、入学者選抜の実態についての調査結果が掲載されていました。

調査対象:学生募集停止の大学を除くすべての大学

調査時期:令和5年7月10日~令和5年8月31日

調査結果をもとに総合型選抜入試の状況について判明していることをお伝えします。

参照:大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究(文部科学省)

総合型選抜入試は増加傾向

令和5年度・令和4年度における大学全体における総合型選抜入試に関して大学区分ごとの割合は下記の表の通りです。

大学区分 総合型選抜入試の割合(令和5年度) 総合型選抜入試の割合(令和4年度)
国公立大学 19.3% 19.1%
公立大学 9.4% 9.1%
私立大学 21.1% 19.7%
大学全体 20.6% 19.3%

国立大学・公立大学・私立大学のそれぞれで総合型選抜入試の割合が増加傾向です。結果として大学全体で総合型選抜入試の割合が増加しているとわかります。今後は急激に増加する可能性もあるかもしれません。

トレンドを先取りして早いうちから総合型選抜入試まで視野に入れておくと、志望校選択の幅が広がり大学受験を有利に進められそうです。

総合型選抜入試の対策

総合型選抜入試では、多角的に大学が求める人材かどうか判断されるため、一般選抜入試とは違う対策が必要です。ここでは総合型選抜入試に向けて行うべき対策を高校1年生・高校2年生・高校3年生に分けて解説します。

高校1年生

高校1年生の段階では学校の課題をしっかりこなし、基礎学力を固めつつ弱点を作らないように心がけます。自分の興味に基づき志望学科・学部をイメージしておくことも大切です。

志望学部・学科で学べることをリサーチし、関連する経験を積めるように学校生活、部活動、課外活動などに取り組んでおくと、志望理由書や小論文試験も説得力のある内容を書けるようになります。夏休みなどの長期休暇も受験に役立つ活動に取り組めればベストです。

高校2年生

高校2年生の段階では、評定を高めるために高校1年生よりも勉強時間を確保しましょう。学校の課題だけでなく、参考書での自学自習、塾の季節講習の参加も検討しましょう。

志望大学の候補も検討し、出願内容も確認します(年度で内容が変化する場合もあるので、あくまで目安として参考にします)。志望学部の総合型選抜入試の有無や英検資格の必要性なども確認しておきましょう。

大学受験で使える英検の級や使うときの注意点などについては下記の記事でご確認ください。

英検は大学受験に使えない? 受験するメリットや共通テストで利用できる大学例を紹介!

高校3年生

高校3年生の段階では、評定平均値に条件を設けている大学があるので、自分の成績で出願できる志望校を決定します。願書提出に備えて早めに資料請求を行ったり、大学で受付している入試相談に申し込んでみたり、キャンパスを見学したりしましょう。

過去の入試の実施状況も早めにリサーチして、学校や塾で志望校別の対策を提案してもらい実践します。志望理由書や小論文対策については塾の夏季講習で最終準備を行うと安心です。

こちらのサイトで各大学のアドミッションポリシーをまとめております。志望理由書作成の参考にいただければ幸いです。

総合型選抜・アドミッションポリシー検索

総合型選抜入試の小論文における最も基本的な対策

総合型選抜入試の小論文における最も基本的な対策は作文との違いを明確にすることです。

作文は自分の体験や感想を自由に書くことであり、相手に納得してもらう必要はありません。その一方で、小論文は自分の意見や主張を書いて、読み手に納得してもらう必要があります。

納得してもらうには根拠が必要であり、調査結果や統計情報などを臨機応変に示さなければなりません。日頃から志望学部・学科に関連するニュースを把握しておくことも重要です。

小論文で合格を勝ち取るための書き方や、小論文テーマの傾向、対策の例などについては下記の記事で解説しています。詳細が気になった方はぜひご覧ください。

手早く合格を取れる小論文の書き方とは?塾関係者が例文付きで解説!

【2024年版】教育学部の小論文テーマの傾向と対策

【2024年版】医療・保健系学部の小論文 テーマの傾向と対策

まとめ

総合型選抜入試は学力以外の観点からも選抜されるため、学力で諦めていた進学先を選択肢に加えることができるかもしれません。やりたいことや、将来の目標や夢がはっきりしている方に向いていると言えるでしょう。

ただ、一般選抜入試と違い対策が複雑になり、準備に迷う保護者様も多いです。情報戦が求められる試験でもあり、教育の専門家に相談する必要も出てきます。

総合型選抜入試の具体的な対策を詳しく知りたい方は弊社ホームページにて。

小論文対策を詳しく知りたい方はこちらまで。