【2022年版】【大学別】大阪工業大学の過去3年分の小論文傾向

大学入試改革により、2021年度入試より小論文を入試科目として採用する大学が急増しました。実際にどういうテーマが出題されていたのかを紹介します。今後の受験勉強にぜひご活用ください。

2020-2022年度の大阪工業大学の小論文テーマ

2020年度から2022年度の大阪工業大学の小論文テーマ一覧は以下のとおりです。

年度

学部・学科

(試験種別)

小論文の種類

テーマ

2022 情報科学部

(普通科高校特別推薦)

教科型 問題. ある大学のクイズ研究会では、部員たちが一斉にクイズの問題を解き、その成績で順位を決める「部内対抗クイズ早解き選手権」を毎年1回行っている。当日風邪をひいてしまい、残念ながら欠席したアキラが結果について尋ねたところ、早解き選手権参加メンバーの発言から、各メンバーの成績を当てるようクイズを出された。早解き選手権にはアツキ、オサム、ケンジ、タカシ、タロウ、ヒトシの6名が参加した。問題は1問1点の「標準問題」20点と、1問5点の「ボーナス問題」10問題が出題された。満点は70点である。6人の参加者の採点結果は、「標準問題」の正解数は全員異なり、5問、6問、10問、12問、15問、18問であった。一方「ボーナス問題」の正解数は2問、4問、6問、8問、10問であり、ある2名は同じ正解数、残りの4名は異なる正解数であった。6名の発言は以下のとおりである。なお、全員事実を発言しており、噓の発言はない。

アツキ:「標準問題」は丁度半分正解できたよ。

オサム:合計で30点以下した取れなかったけど、私よりも合計点が更に4点低い人もいたね。

ケンジ:「標準問題」は5問しか解けなかったけど、「ボーナス問題」はそれより多く正解できたよ。

タカシ:合計点が35点という人がいたけど、それは私でもケンジでもないよ。

タロウ:「標準問題」と「ボーナス問題」を丁度同じ数だけ正解した人がいたね。

ヒトシ:合計で22点しかとれなかったよ。残念。

問1. 6名の参加者は、それぞれ「標準問題」「ボーナス問題」を何問正解したか。特定に至る過程を1,000文字以内の文章で論理的に説明せよ。説明の際は、根拠となる事実(発言の内容やそれより以前に導出した事実等)を明確に示すこと。

問2. 6名の正解数、合計点を解答欄の表に書け。

知的財産学部

(普通科高校特別推薦)

テーマ型 問題. 次の2問のうち1問を選択し、800-1000字以内で回答しなさい。

問1. 知的財産を創造、保護及び活用することが、なぜ国の産業や文化の発展に寄与することとなるのかを説明しなさい。説明に際しては、知的財産法が存在しなかった場合と現状との対比にも言及すること。

問2. 知的財産の対する権利のうちあなたが最も興味を持つものを一つ取り上げ、それがどのような権利であるのかを説明しなさい。また、最近、あなたがなぜその権利に興味を持つのかについて、その権利に関する個人的な体験や報道案件などに言及しつつ、説明しなさい。

2021 情報科学部

(普通科高校特別推薦)

教科型 問題. ある学校の2つのクラスⅠとⅡのどちらかに所属する6人の学生アツキ、オサム、ケンジ、タロウ、ヒトシ、タカシは、それぞれ野球部、卓球部、水泳部、音楽部という名前の4つのクラブのどれかに所属している。新たに転校してきたアキラが6人にクラブの話を聞こうとしたところ、「それではまず、私達6人の発言から、それぞれが所属するクラスとクラブを特定するゲームをしよう。」ということになった。6人から得られた発言は以下の通りである。簡単には分からないようにそれぞれ工夫を凝らした発言がなされている。なお、転校生アキラは、6人が所属するクラスやクラブについて事前に何も知らなかったが、6人の全員がクラブのどれかに所属していること、また、ひとりで2つ以上のクラブに所属していないことを知っていた。

アツキの発言

①タカシはクラスⅡに所属し、かつ、野球部または卓球部に所属している。

②オサムはクラスⅠに所属し、かつ、アツキはクラスⅡに所属している。

オサムの発言

③私はヒトシと同じクラスに所属している。

④水泳部に所属している学生の全員がクラスⅡに所属している。

ケンジの発言

⑤タカシは野球部、水泳部、音楽部のいずれかに所属している。

タロウの発言

⑥私はオサムと同じクラブに所属しているが、オサムとは違うクラスに所属している。

⑦私はアツキと同じクラスに所属しているが、アツキとは違うラブに所属している。

ヒトシ

⑧もしケンジがクラスⅠに所属しているならば、ケンジはどのクラブにも所属していない。

⑨水泳部または音楽部に所属している全員がタロウとは違うクラスに所属している。

タカシの発言

⑩タロウはクラスⅠに所属しておりかつオサムはクラスⅠで水泳部に所属している。または、アツキはクラスⅠで卓球部に所属しておりかつケンジは水泳部に所属している。

⑪クラスⅡの学生のそれぞれは違うクラブに所属している。

これらの発言のほかに、次のようなヒントも与えられた。

・アツキの2つの発言のうち、1つだけが正しく、他の1つはウソである。

・ケンジはウソをついている。

・オサム、タロウ、ヒトシ、タカシの発言にウソはない。

ここで「ウソの発言」とは、主語の部分は正しいが述部は正しくないものを言う。したがって、ウソの発言の述部を否定したものは正しい。例えば、「アツキはクラスⅠに所属している」がウソであったとすると、「アツキはクラスⅠに所属していない」は正しいことになる。

問1. アツキ、オサム、ケンジ、タロウ、ヒトシ、タカシが所属するクラスとクラブを特定するとともに、特定に至る過程を1500字以内の文章で説明せよ。

問2. 上記で得られたアツキ、オサム、ケンジ、タロウ、ヒトシ、タカシが所属するクラスとクラブを解答欄に書け。

知的財産学部

(普通科高校特別推薦)

テーマ型 問題. 次の2問のうち1問を選択し、800-1000字以内で回答しなさい。

問1. 知的財産を創造、保護及び活用することが、なぜ国の産業や文化の発展に寄与することとなるのかを説明しなさい。説明に際しては、知的財産法が存在しなかった場合と現状との対比にも言及すること。

問2. 知的財産の対する権利のうちあなたが最も興味を持つものを一つ取り上げ、それがどのような権利であるのかを説明しなさい。また、最近、あなたがなぜその権利に興味を持つのかについて、その権利に関する個人的な体験や報道案件などに言及しつつ、説明しなさい。

2020 情報科学部

(普通科高校特別推薦)

教科型 問題. タロウ、ヒトシ、タカシ、アツキ、オサム、ケンジの6人に対して最も好きな食べ物を調査した。調査は、6人を一堂に集めてインタビューを行い、得られた発言内容を分析して各々の最も好きな食べ物を特定する方法で行った。以下では「最も好きな食べ物」を単に「好物」と記す。

調査の結果、6人全員の好物を各々1つずつ特定することができた。そしてこれらは事前に想定していた以下の6種類の中に含まれていた。

カレーライス、牛丼、カツ丼、ハヤシライス、トンカツ、ステーキ

但し、これらの6種類の中には、誰の好物でもないものが1つだけ含まれていた。

インタビューで得られた発言は以下のとおりであるが、好物が簡単にわかってしまったら面白くないということで、各々が知恵を絞り、わざとわかりにくい表現にしようと苦心した跡がうかがえる。なお、ヒトシはインタビューに応じなかったため、発言はない。

タロウの発言

①ヒトシの好物がカレーライスでないならば、タカシの好物はカレーライスである。

②もしステーキが好物の人が6人の中にいるならば、それはタカシかヒトシである。

タカシの発言

③タロウの好物はハヤシライスでありアツキの好物はカツ丼である、または、タロウの好物はハヤシライスでありアツキの好物はカツ丼でない。

④「アツキの好物は牛丼、カツ丼、ハヤシライス、ステーキのいずれかである」はウソである。

アツキの発言

⑤ケンジの好物が牛丼でないならば、アツキのそれはトンカツではない。

⑥私の好物はハヤシライスではなく、かつトンカツでもない。

オサムの発言

⑦もしカレーライスが好物の人が6人の中にいないならば、ハヤシライスが好物の人はいる。

⑧私の好物は牛丼かステーキである。

⑨私の好物はトンカツではない。または、タカシのそれはカレーライスではない。

ケンジの発言

⑩オサムの好物はカレーライス、牛丼、カツ丼以外である。

⑪アツキの発言⑥はウソである。

⑫タロウの好物とオサムの好物は同じではない。

これら発言に対し以下のことがすでにわかっている。

・アツキの2つの発言中1つだけが正しく、他の1つはウソである。

・オサムの3つの発言中1つだけがウソであり、残りの2つは正しい。

・アツキ、オサム以外の3人の発言にはウソはない。

ここで「ウソの発言」とは、主語の部分は正しいが述部は正しくないものを言う。したがって、ウソの発言の述部を否定したものは正しい。例えば、「タロウの好物はトンカツである」がウソであったとすると、「タロウの好物はトンカツではない」は正しいことになる。

問1. タロウ、ヒトシ、タカシ、アツキ、オサム、ケンジの好物を特定するとともに、その過程を1800字以内の文章で説明せよ。好物を特定するための論証に際しては、前提として使用する発言の真偽(正しいかウソか)を事前に明らかにすること。真偽を明らかにしていない発言を使用して導き出した発言は正しい結論とは言えない。また、解答文をわかりやすくするため、以下の指示に従って解答文を作成すること。

・解答文と問題文をつきあわさなければ理解できない文章ではなく、解答文だけで内容が理解できる文章を作成すること。

・解答文中で発言を引用するときは、発言の番号(①から⑫)を明記するのみならず、解答文だけで内容が理解できる文章にするため、必要に応じて発言内容そのものを「」付きで引用すること。

・解答文の形式は以下の通りとすること。

1. aaaの好物

(aaaの好物を導く論証)

2. bbbの好物

(bbbの好物を導く論証)

・・・

6. fffの好物

(fffの好物を導く論証)

問2. 上記で得られたタロウ、ヒトシ、タカシ、アツキ、オサム、ケンジの好物を解答欄の表に書け。

知的財産学部

(普通科高校特別推薦)

テーマ型 問題. 次の2問のうち1問を選択し、800-1000字以内で回答しなさい。

問1. 知的財産を創造、保護及び活用することが、なぜ国の産業や文化の発展に寄与することとなるのかを説明しなさい。説明に際しては、知的財産法が存在しなかった場合と現状との対比にも言及すること。

問2. 知的財産の対する権利のうちあなたが最も興味を持つものを一つ取り上げ、それがどのような権利であるのかを説明しなさい。また、最近、あなたがなぜその権利に興味を持つのかについて、その権利に関する個人的な体験や報道案件などに言及しつつ、説明しなさい。

2020-2022年度の大阪工業大学の小論文傾向

過去3年間、傾向は変わっていませんでした。情報科学部は6人の会話から条件を論理的に整理して解答を導く問題で、知的財産学部は毎年問題が同一でした。

同タイプの問題、あるいはまったく同じ問題が毎年出題されていますから、対策は非常にしやすいです。

情報科学部については過去問をつかって何度も練習しておきましょう。問題のタイプが珍しいので、過去問中心のほうが対策しやすそうです。

知的財産学部は毎年同一の問題ですから、事前に解答を考えて誰かに添削しておいてもらいましょう。試験当日までにポイントだけ覚えておくか、解答を丸暗記しておいてもいいでしょう。

小論文の書き方についてはこちらでも紹介しています。
小論文の書き方 手早く合格を取れる小論文の書き方とは?塾関係者が例文付きで解説!

まとめ

大阪工業大学の小論文入試は特色がはっきりしています。対策がしやすい分、事前の対策の綿密さが合否の分かれ目になりそうです。

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