総合型選抜・学校推薦型選抜入試における活動報告書の書き方を徹底解説!【例文あり】

総合型選抜・学校推薦型選抜入試では、書類審査の過程で活動報告書の提出が求められます。志望理由書とは異なる記入事項が多く、書き方に悩む方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、活動報告書の概要をおさらいしつつ、合格を目指すうえで特に重要な書き方を解説します。活動報告書の準備に悩むお子様・保護者様はぜひ本記事を参考に対策してみてください。

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における活動報告書とは?

活動報告書とは、高校入学後に行った活動実績をまとめる応募書類です。

具体的に記載する項目例は下記の通りです。

・受賞歴
・生徒会活動
・部活動
・自主研究発表
・ボランティア活動
・国際交流
・資格

今後の勉学や自分の将来に活かせる実績を選別して記入します。

大学が指定する書き方のパターンはさまざまです。活動内容を期間とともに1行ずつ列挙したり、活動をもとに自己アピールを400字程度で記入したり、活動で最も苦労したエピソードを200字程度で記入したりします。

A4サイズや紙媒体など、定められたフォーマットで提出し、証明書や成績表、表彰状、作品など、活動実績を証明する資料も可能な限り添付します。

総合型選抜入試の書類審査について詳しく知りたい方は下記の記事もお読みください。

総合型選抜入試を制するためには書類審査と小論文の早期対策が必須!

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における活動報告書の書き方

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における活動報告書の概要をお伝えしました。

記入する内容がわかっても、肝心の書き方を理解しなければ合格率が下がってしまいます。

引き続き、総合型選抜・学校推薦型選抜入試における活動報告書の書き方を解説します。

志望学部の研究に関連する活動を書く

大学は研究に寄与してくれる人材かどうかを審査しています。志望学部の研究に関連した活動を書くことで、大学に必要な人材だと判断してもらいやすくなります。

志望学部のホームページやオープンキャンパスで入学後に学べることを確認したうえで、大学の研究に深く関連する活動を選定して活動報告書に記入しましょう。

可能であれば早い段階で志望大学の研究室を見学させてもらい、逆算して必要な活動を始めるのも有効です。

アドミッションポリシーに関連する活動を書く

アドミッションポリシーとは、大学が受験生に求める能力や意欲、適正などについて、建学精神や教育理念に基づき定めた入学者の選抜方針です。

いかに貴重な経験をしたとしても、アドミッションポリシーと無関係の活動を報告すると、大学から必要な人材だと判断してもらえません。

志望大学のアドミッションポリシーを確認したうえで、最も関連する活動を精査して活動報告書に記しましょう。

アドミッションポリシーの詳細を知りたい方、主要大学のアドミッションポリシーを確認したい方は下記の記事・サイトもお役立てください。

総合型選抜対策のキーワード!3ポリシー徹底解説【アドミッション・ポリシーが重要!】

主要大学のアドミッションポリシー一覧

主観的な表現を排除して書く

主観的な表現を使うと、活動報告の正確さや信ぴょう性が低下します。たとえば、「一生懸命頑張りました」と記載しても、読み手はほかの受験生よりどれくらい頑張ったのか判断できません。「毎日欠かさず3時間~に専念しました」と記載したほうが、活動の密度を客観的に正しく伝えられます。

主観的な表現は、一般的な大人はもちろん受験生がよく使ってしまいがちで、大学の審査官も飽き飽きしている可能性が高いです。活動報告書では主観的な表現を排除して書くようにしましょう。

活動報告書の書き方は、志望書の書き方と重複する部分もあります。たとえば「自己分析をしてから書く」「志望大学の学部を分析してから書く」などの書き方です。志望書の書き方については下記の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

総合型選抜・学校推薦型選抜入試の志望理由書の書き方を徹底解説!【例文あり】

功績を意識して書く

功績は国や社会、団体に貢献した業績、成果などを示す言葉です。大学は世の中に貢献をするための研究機関であることから、受験生の活動報告でも功績を評価する可能性は高いといえます。

単に活動を列挙するだけでは、誰のために役立ったかが不明確になってしまいがちです。功績を意識して国や社会、団体に貢献できた点をアピールしましょう。

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における活動報告書の書き方の例

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における活動報告書の書き方の例をパターン別にご紹介します。

パターン1.活動内容の提示

活動内容の提示が求められるパターンの書き方の例文は下記の通りです。

【生徒会や委員会、クラスに関する活動】

活動期間
学年
活動内容や役割
令和〇年〇月~〇月
高1
文化祭実行委員として広報活動を担当。FacebookやX(旧Twitter)、HPで文化祭の情報を発信。投稿が話題となり学校のSNS総フォロワー数が100名から5,000名まで増加。


【ボランティアの活動】

活動時期
学年
具体的な活動内容
令和〇年〇月〇日~〇月〇日
高2
高齢者を対象とした防災訓練のボランティアに参加。要介護者がいる世帯が一目でわかるような防災マップを作成した。作成した防災マップは市役所でも活用されている。


パターン2.活動内容の説明

活動内容の説明が求められるパターンの書き方の例文は下記の通りです。

【最も注力した活動】

生物部の部長として、〇〇大学主催の〇〇コンテスト優勝を目指して、チーム一丸となって活動しました。〇〇コンテストは小中学生が生物学に興味を持てるように教材を開発する競技です。私は生物の中でも鳥が好きでAI技術にも興味があったので、鳴き声から鳥の種類を判別するアプリの開発を提案したところ、チームで採用されました。放課後は部室が使えるギリギリの時間まで開発に没頭。AIに関する不明点はインターネットや専門書でリサーチし、メンバーだけで解決できない点は顧問や情報教諭にも質問しました。メンバーと顧問、情報教諭の協力のおかげで、アプリの開発を期日までに完了させられただけでなく、最終的にコンテストで優勝を果たしました。後日、朝礼で表彰された出来事は私の誇りとなっています。

【活動で学んだことをもとに自己アピール】

〇〇コンテストで教材を作成する中で、鳥の種類や生息範囲などを調べるために、録音や撮影などの方法を学びました。生き物のデータを取得するフィールドワーク経験は、大学での研究にも活かせると考えます。音声認識アプリを作るためにプログラミング言語(Python)や機械学習の基礎も習得しました。データ分析・データ処理のスキルやAIの知識は、生物の研究でデータから新たな知見を得るのに役立つはずです。貴学の応用生物学部ではバイオ分野とAI技術の最先端の研究を進めています。貴学で生物学とAIを深く学び、私の活動経験を活かして、生物学の発展に寄与していきたいです。

まとめ

総合型選抜・学校推薦型選抜入試の活動報告書は、高校入学後に行った活動をまとめる書類です。志望学部の研究やアドミッションポリシーに関連する活動を選定して書くことが重要です。

今回紹介した以外にも活動報告書で重要な書き方はたくさんあります。受験指導の専門家にポイントを教えてもらえば、書類審査の合格率がグッと高まるでしょう。

活動報告書の後に必要な、小論文についても書き方が知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

手早く合格を取れる小論文の書き方とは?塾関係者が例文付きで解説!

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