大学受験に失敗したときの選択肢として浪人があります。成功すれば志望校に合格して一発逆転できるかもしれません。今回は、浪人とは何かがわかるように、意味や由来、メリット・デメリットなどをわかりやすく簡単に解説します。やること・対策、後悔しないためのポイントなどにも触れているので、浪人を成功させるためのヒントも得られるでしょう。
目次
浪人とは?
浪人とは、入試に失敗して大学への入学を断念し、次年度の入試に再挑戦する学生です。浪人生とも呼ばれています。目安として浪人生の割合は受験生の2割程度といわれています。難関大の場合は3割を超えるケースもあるようです。
第一志望の大学にどうしても入学したいパターンや、1つも大学に合格できなかったパターンなど、浪人する経緯はさまざまです。
1度目の再挑戦で入学すると1浪、2度目の再挑戦で入学すると2浪という経歴になります。再挑戦の数が増えるほど経歴の数値も増える仕組みです。
大学に通いながらほかの大学を目指す学生については仮面浪人と呼ばれています。
浪人の意味と由来
浪人は、藩を抜け出した武士や、仕える主人をなくした武士をさす言葉としても知られています。また、流浪という言葉はさまようことを意味します。
このように、「浪」の文字は方向性が曖昧で明確に決まらないというニュアンスを持っていることがわかるでしょう。
その点、社会的立場が不安定な学生を示すのに浪人という言葉はしっくりきます。
大学が少なかった大正時代に、大学進学資格を得られる旧制高校が増え、卒業しても入学できない人も急増し、浪人の言葉が生まれたようです。
古くから使われていた名残が現代にも続いていったのかもしれません。
浪人のメリット・デメリット
浪人の概要や意味、由来などについてお伝えしました。浪人は諸刃の剣です。メリットが大きい一方で、デメリットも大きいです。メリットとデメリットを慎重に検討して、浪人するか判断を下す必要があります。
ここでは、浪人のメリット・デメリットについて解説します。
メリット
浪人のメリットは主に下記の通りです。
・高学歴を目指しやすい
・難関大に合格できる可能性が高まる
・第一志望に合格できれば理想の環境で学べる
・受験に成功すれば将来的に生涯年収が増える可能性がある
・滑り止めの大学に不満を抱かなくて済む
浪人をすれば、1日中勉強に専念できるため、難関大学に合格して高学歴を獲得できる可能性があります。将来的に生涯年収も高まりやすくなるでしょう。合格すれば自分の夢を実現するための学習環境も手に入り、滑り止めの大学に通って不満を抱くリスクも減らせます。
デメリット
浪人のデメリットは主に下記の通りです。
・受からないかもしれないというプレッシャーで精神を病みやすい
・塾や予備校などのコストがかかり家計の負担が増える
・同級生だった友達と遊びづらくなる
・大学進学後に年下の学生と過ごすことになる
・失敗すると経歴が悪くなり将来の就職活動で不利になりやすい
浪人をすると次は失敗できないという思いが強くなり、焦りや不安も膨れ上がります。合格したあとにも浪人という経歴が残るため、大学生活や就職活動などで周囲から特別視されやすいです。メンタルが強い方でないと浪人をするのは難しいでしょう。
浪人をすれば、必ず次は第1志望の大学に合格できるという保証はありません。浪人生の約半数以上が、第1志望の大学に合格できなかったというアンケート結果もあります。
強い気持ちを持って勉強に取り組まなければ、良い結果は得られないことを理解しておきましょう。
浪人が決まってからやること・対策
浪人が決まると学校に通わず勉強に専念できますが、油断するとあっという間に次の受験が訪れます。2浪、3浪を避けるために、浪人が決まってからすぐさま準備を始めることが重要です。
引き続き、浪人が決まってからやること・対策について解説します。
勉強方法を決める
浪人する場合の勉強方法としては、基本的に予備校や塾を利用するか、宅浪するかに分かれます。予備校や塾に通えば講師からアドバイスをもらえるため、自信を持って受験に望めるでしょう。宅浪の場合は通塾せずに済むため、コストを節約できるほか、移動時間を減らして勉強時間を増やせます。
近年は予備校や塾、宅浪のメリットを両方持ったオンライン家庭教師も登場しています。予備校や塾に通わず、自宅でプロを独り占めにして受験対策を受けられるのが画期的です。
現役生の視線を気にせず勉強に集中できます。すでに通っている予備校や塾と併用することも可能です。浪人の勉強方法の選択肢として検討してみるとよいでしょう。
次の受験まで逆算してスケジュールを立てる
第一志望や滑り止めに合格するためのスケジュールを逆算して練り上げます。
逆算にあたって志望校の過去問を分析することが最優先です。
そのうえで、模試の判定や共通テストの得点などの目標も設定し、参考書の読了や問題集の習得など、過去問や各種テストで高得点を取るために必要なタスクを期限とともにリストアップしましょう。
タスクと期限を明確にするだけでは、予定通り勉強を進められるとは限りません。期限に間に合うように、1日に取り組むページ数や問題数などまで明確にしておきましょう。
自分に合った受験方法も探す
近年、一般選抜入試以外の受験方法にも需要が高まり、合格の可能性を高める手段として注目されています。
たとえば、総合型選抜入試では学力以外の長所や強み、活動、実績などが選抜基準として評価されます。
浪人生は現役生よりも時間があるので、志望理由をじっくりと練り上げることもできます。大学が求める人材を徹底的に分析し、強力なアピール材料を用意できれば、勉強以外のルートで合格できるかもしれません。
自分の個性と相性のよい大学があれば、総合型選抜入試の受験も検討してみるとよいでしょう。
総合型選抜入試とは? 入試内容やスケジュール日程、一般選抜入試との違い、対策などを解説!
浪人して後悔しないためには?
ここまで紹介した通り、浪人することにはデメリットがつきものです。「浪人しなきゃよかった…」と後悔する人も少なくありません。
浪人して後悔しないためのポイントをご紹介します。
高学歴に固執しない
高学歴を目指して難関大学に合格しても、自分がやりたいことが定まっていないと、大学に入ってからの勉強に興味が持てず、苦痛を味わうことがあります。
ギリギリの点数で合格した方だと、単位が取れずに卒業できないことも珍しくありません。
このように高学歴に目がくらむと、浪人してまで入学したことを後悔する恐れがあります。
高学歴でなくても自分のペースで夢や希望を実現できる大学はいくらでもあります。高学歴に固執せず、学びたいことを無理なく学べる大学も視野に入れましょう。
相談できるメンターを確保する
浪人で最もつらいのは、誤った学習方法を続けると、成績が一向に上がらないことです。再起をかけて一生懸命勉強した人ほど、成果が出なかったときに後悔しやすくなります。
浪人生には勉強方法について相談できるメンターの確保が重要です。メンターがいれば効果の薄い勉強方法を指摘してくれます。浪人期間を無駄にして後悔するリスクを減らせるでしょう。
浪人生への親のサポート
浪人生は親に申し訳ないという罪悪感、また落ちてしまうことに対する恐怖など、ネガティブな感情を抱えながら葛藤して勉強します。
シンプルですが、親が話を聞いて励ますことが重要なサポートになります。浪人に失敗しても社会で活躍している人のエピソードを紹介するなど、励まし方はさまざまです。
安心感を与えることができれば、迷いを振り払って勉強に集中しやすくなるでしょう。
浪人生の中には親がうるさいと感じてイライラしたり、ストレスを感じたりする方も少なくありません。浪人を理由に喧嘩をしてしまえば、モチベーションまで下がるリスクもあります。
親子間だと勉強方針について話しても、感情的になって意見がすれ違うこともあるでしょう。親だけでサポートが難しいと感じた場合は、教育の専門家にアドバイスをもらうと安心です。
まとめ
浪人にはデメリットがありますが、正しい方法で勉強することができれば、人生を飛躍させるきっかけになります。
浪人して成功するには、粘り強く努力を続けることが重要ですが、適切な対策を知ることが何よりも大切です。
なお、浪人せずに滑り止めの大学に入学したほうが、将来の夢を実現しやすくなる場合もあります。
浪人で第一志望に受かりたい方や浪人すべきか迷っている方は弊社ホームページにて。