知っておきたい!帰国生入試の基礎知識(高校受験編)

高校入試において、帰国生枠が利用できる一般的な条件は以下の通りです。

① 日本に帰国後、約3年以内

② 海外に1年以上在住(継続か通算かは、学校によって違いあり)

③ インターナショナルスクール・現地校で9か年の学校教育課程を修了、もしくは修了せず帰国し日本の中学校へ編入、卒業見込み など

※学校により条件が多岐にわたります。

上記に合わせて、単身ではなく保護者と海外に住んでいたか、帰国後保護者と暮らすかどうか、英検などの資格を取得しているかどうかなど、受験資格は学校によって違いがあります。

その条件に当てはまる方は、帰国生枠を設けている高校入試ができますが、志望校をどうやって選んだらいいか、入試対策はどうしたらいいかがわからないことも多いかと思います。
この記事が、帰国生高校入試の理解を深めるお力になれたら幸いです。

ぜひご一読ください。

志望校の選定

帰国生中学受験に比べて、帰国生高校受験は一般入試と内容が同じパターンが多い傾向です。

ただ、一般入試において特別な措置を行う学校もあれば、英語に特化した入試形態や、書類選考、作文・小論文での選考という入試形態もあります。
合わせて、高校入学後のクラス設定やカリキュラムについても学校によりさまざまな違いがありますので、確認しておきましょう。

単身で帰国して日本の学校に通う場合は、寮の有無も選択肢のひとつになりますね。

選ぶ要素は数多くありますが、お子さまのために一番重視するところは何かという基準をもって、志望校を選んでみてください。

おすすめの志望校選びは以下の通りです。

志望校の情報収集

学校のHPをチェックする

  • 校風や教育理念を確認して、お子さまにあっているかを考えてみてください。
  • 大学への進学実績なども重要です。付属の大学があり、そこに進学することを考えるなら、その大学に行きたい学部があるかどうかをチェックしておきましょう。
  • 資料請求が可能なら取り寄せておくと便利です。海外在住なら一時帰国時に合わせて取り寄せてみてください。

オープンスクールに参加する(一時帰国・もしくは帰国しているなら特におすすめ)

  • 学校や、生徒の雰囲気を直接感じられます。
  • 実際に通学したときの交通手段を使って行ってみてください。通いやすいかどうかが良くわかります。寮を検討しているなら、ぜひ実際に見ておいてください。
  • 進学後のカリキュラムや、部活の実態など、より詳しい情報が手に入ります。質問対応の機会があった場合は、積極的に質問をしてみてください。

帰国生入試に詳しい学習塾に話を聞く

  • 過去の帰国生入試をした生徒の経験をもとに、アドバイスがもらえる塾もあります。学習相談を受け付けている塾がほとんどですので、積極的に活用してみましょう。
  • 帰国生入試に詳しい塾は、入試対策も行ってもらえます。ただ、特殊な入試形態(英語特化・小論文など)を考えているのであれば、その対策は可能かどうか確認しておきましょう。

受験対策

受験傾向と対策

志望校が決定すれば、その学校の受験日程も学科試験内容もわかります。
お子さまにどの教科の対策が必要か確認したうえで、入試までの時間を逆算して志望校対策を進めていきましょう。

国内一般生同等入試(5教科型・3教科型)

国内一般生と同日、同内容の試験が課される高校の入試形態です。
帰国生枠は一般枠に比べて倍率は少し低くなる傾向ですが、この入試形態をとっている高校は全国でも難関校とされています。しっかりとした対策が必要になるでしょう。

例:筑波大学付属(5教科)慶應義塾(3教科)など
対策:国内の一般入試同様の試験内容かつ難関校なので、早めの対策は必須です。遅くても3年生の夏までには先取りで基礎学習を終わらせて、いち早く応用問題対策や頻出単元対策を中心に行いましょう。

英語力特化入試(英語1教科型・検定必須型・英語高配点型など)

英語の能力を問われる入試になります。高校により様々な観点から英語力を試されるので、内容を確認しておきましょう。

英語1教科型

英語のみの試験になりますが、難易度もかなり高い傾向があります。Essayが必要なケースもありますので、英語だけだからと安心するのは危険です。十分な対策をしておかないと合格にはたどり着かないでしょう。
例:渋谷学園幕張など
対策:過去問を確認しながら、受験英語に慣れておきましょう。それも、数か月前からではなく、遅くても1年前から対策を始めることをおすすめします。Essayの書き方がわからないのであれば、指導経験のある方に基本から教えてもらいましょう。

検定必須型

英検・TOEFL・TOEIC・IELTSなどの検定を所持していないと出願ができない入試形態です。
合わせて学科試験では数学・国語・小論文のいずれかが必要になるケースがほとんどです。
例:早稲田大学本庄高等学院・I選抜、西大和学園・英語重視型B(数学・国語)など
対策:英検準1級程度の検定が必要な高校もあります。まずは難関英語検定取得の対策が大前提で、並行して志望校に必要な教科の対策も進めておきましょう。作文・小論文が必要な場合は、経験のある方からの指導を受けることをおすすめします。

英語高配点型

英語の配点が他教科よりも高く設定されている入試形態です。その分、英語の難易度は他入試形態より高い傾向にあります。現地校、インター校に通っていても油断はできません。
例:朋優学院(国公立AGコース 及び 特進SGコース 合否判定時)など
通常配点:国語・数学・英語 各100点 計300点
帰国生優遇配点:英語 150点 国語・数学 各75点 計300点
対策:高度な受験英語力が問われますので、過去問を見て傾向の確認と、早めの対策を進めましょう。他教科も英語と並行して学習しておきましょう。

出身学校考慮入試(面接・小論文・3教科型など)

国内の中学校とは違うカリキュラムや言語で教育を受けている現地校・インター校生と、国内のカリキュラムに沿った日本人学校生とで必要な教科が異なる入試形態です。
現地校・インター校出身:面接、作文・小論文、英語のいずれかを利用した入試形態
日本人学校出身:3教科型の入試形態、ただし一般入試とは別問題
例:かえつ有明
・帰国生Honors選考:英語作文・筆記、日本語作文、英語グループワーク
・帰国生Regular選考:英語・数学・国語
同志社国際
・特別推薦入試:語学資格(条件A)・成績資格(条件B)、書類審査、自己推薦書、面接
・A選考:小論文(日本語以外)、書類審査面接
・B選考:教科試験(国語・数学・英語) など
対策:現地校・インター校出身であれば、面接と作文・小論文が重要なケースが多いです。特に作文・小論文はどの言語で書かなくてはいけないのかを確認して、経験のある方からの指導を受けておきましょう。
日本人学校出身であれば、難易度が低くなるとは言え3教科受験する必要があります。基本をしっかり身につけておき、過去問など入試本番に向けた対策を行いましょう。

まとめ

帰国生高校入試についての理解を深めるお手伝いができたでしょうか?
帰国生入試に向けて考えることは数多くあり、この記事はあくまでその一端にすぎません。年度が変われば方針も変わりますので、各学校のHPなどを随時ご確認ください。

ただ、自分だけで知識を得ようとしても限界はあります。ぜひ、いろんな方を頼ってみてください。帰国生入試で高校受験をした経験者や学習塾など、アドバイスをもらえるところは意外と多いです。
海外在住中の方や、帰国しても近くに学習塾が無い、という方はオンラインの学習塾をおすすめします。

海外にいながら帰国生入試について相談することもできますし、海外にいながら日本のカリキュラムで学習を進めていくことも可能です。
帰国前に海外で入試対策を進めておくと安心です。入試直前に帰国しても、そのまま受講を継続できるのもオンラインの強みですね。

興味がある方は、ぜひ弊社ホームページまで。