近畿大学附属和歌山中学校は、和歌山県和歌山市にある私立の男子・女子共学の中高一貫校です。多様な価値観や学習スタイルを持った生徒が集まり、日々切磋琢磨できる環境にあります。偏差値はコースによって異なり、入試方式や年度によっても変動があるため、最新情報の確認が重要です。
最新の学校情報や入試情報、偏差値情報や進学実績などを総合的に解説します。中学受験をする志望校選びに迷っている方にとって、この記事がお力になれば幸いです。
近畿大学附属和歌山中学校の基本情報
近畿大学附属和歌山中学校は、近畿大学の附属校として長年の実績と伝統を持つ学校です。中高一貫教育を通じ、一貫性のある学習指導や手厚い進路指導を提供しているのが大きな特徴です。さらに、高校部や大学との連携行事も多く、将来を見据えた幅広い学びの機会があります。
学校概要と特徴
近畿大学付属和歌山中学校・近畿大学の建学の精神は、「実学教育」と「人格の陶冶」です。それに応じた教育目標は、「知育」「徳育」「体育」の調和のとれた教育を生徒一人ひとりにおこなうこととしており、具体的な内容は以下の通りです。
1. 知性を磨き、創造的で豊かな能力をたかめるよう励む。
2. 節度と礼儀をわきまえ、協調と信頼の精神を重んじる。
3. 進んで責任を果たし、真の自立精神を培う。
設立当初から建学の精神でもある“実学教育”を重視しており、学問を社会に生かすための基礎力と応用力を育むカリキュラムを展開してきました。近畿大学と連携したさまざまなイベントも行われており、高大連携が充実している点が大きな魅力となっています。
2種類のコースがあり、最難関国立大学への進学に対応したカリキュラムをもとに、密度の濃い授業が受けられる「スーパー理数コース」と、六年一貫教育のメリットを最大限に生かしたカリキュラムで、生徒個々を細やかに指導する「数理コース」があるのも、近畿大学付属和歌山中学校の特徴のひとつです。
このようなコース設定などを軸にした中高一貫教育を生かして、学年ごとに学習到達度を見極めながら発展的な内容にスムーズに移行できるカリキュラムが組まれています。さらにICT教育にも力を入れており、各教室にプロジェクターが設置されています。
学校沿革と所在地
1983年(昭和58年)に近畿大学付属和歌山高等学校が開校し、その後1985年(昭和60年)に近畿大学付属和歌山中学校が開校しました。
学校は和歌山市善明寺に位置し、最寄り駅としては南海本線「紀ノ川駅」やJR阪和線「六十谷駅」が利用しやすいとされています。各最寄駅からは自転車で約15分程度で、南海本線「和歌山市駅」やJR「和歌山駅」からは、バスを利用して約15分ほどで通学できます。比較的落ち着いた環境の中で学習に取り組めるうえ、大阪方面へのアクセスも視野に入れやすい立地です。
入試情報
2025年度の入試情報は以下の通りです。
試験の種類 | 午前入試 | 午後入試 |
募集人員・コース | 175人〔スーパー数理コース・数理コース(男女共学)〕 | |
試験内容 | 国語(60分200点) 算数(60分200点) 理科(40分100点)配点a:国語200点 + 算数200点 + 理科100点 【合計500点満点】 配点b:国語250点(得点の1.25倍) + 算数250点(得点の1.25倍)【合計500点満点】 |
国語適性問題(25分50点) 算数適性問題(25分50点) 理科適性問題(25分50点) 社会適性問題(25分50点)配点c:国語50点 + 算数50点 + 理科50点 + 社会50点 【合計200点満点】 配点d:国語75点(得点の1.5倍) + 算数75点(得点の1.5倍) + 理科50点 【合計200点満点】 |
注意点 | ※3教科のうち1教科でも未受験があれば、合否判定の対象にならない ※配点a、配点bで合計点を算出し、その高い方を合否判定に用いる |
※4教科のうち1教科でも未受験があれば、合否判定の対象にならない ※配点c、配点dで合計点を算出し、その高い方を合否判定に用いる |
偏差値情報
近畿大学附属和歌山中学校の偏差値は、おおむね43~52程度の範囲で推移しており、各年度の受験者数や午前・午後などの入試方式によって細かな変動があります。一般的にスーパー理数コースほど偏差値が高い傾向にあり、受験生にとってはコース選択が重要なポイントとなります。塾や予備校の公開情報だけでなく、学校説明会などの情報も欠かせません。
コース別偏差値は、難易度の高いスーパー数理コースと基礎から応用までしっかり学ぶ数理コースで変動します。スーパー数理コースは、難関高校や大学への進学を目指す生徒が多いため、やや高めの偏差値が設定される傾向があります。一方、数理コースは基礎力重視ながらも応用力を育成するため、高い学力を求める姿勢は変わらず、しっかりと対策をしておく必要があります。
スーパー数理コース
スーパー数理コースは、偏差値49~52程度とされています。最難関国立大学への現役合格を目指し、豊富な問題演習で応用力を身につけ、文理ともにハイレベルな授業を展開するコースですので、自ずと偏差値も上がる傾向です。このコースを目指す受験生は強力なライバルになりますので、早期に受験準備を始めておくと良いでしょう。
数理コース
数理コースは、偏差値43~46程度とされています。有名難関大学への現役合格を目指し、基本の徹底による学習の基礎固めとともに、習熟度に応じてじっくりと課題に取り組める環境が用意されているコースですので、より細かくお子さまの成長を見てほしい方にはおすすめのコースだと言えるでしょう。ただし、スーパー数理コースほどではないものの、合格に向けては計画的な勉強が必要になります。苦手分野を早めに発見し、重点的に補強しておくことで合格可能性を高めることができます。
和歌山県内での偏差値比較
近隣の私立中学校と比較すると、近大附属中学校は中堅からやや高いレベルの偏差値帯に位置付けられることが多いです。特に理数系を志望する生徒や大学進学を強く意識する家庭が集まりやすいため、同程度の学力層が多く刺激し合うメリットがあります。偏差値だけではなく、学校全体の雰囲気や特色を考慮しながら検討することが大切です。
中学校進学後の学習について
進学後の学習ポイントや使用教科書などは、以下をご確認ください。
進学実績
近畿大学附属和歌山中学校の強みの一つは、高大連携による多様な進路選択肢があることです。内部進学だけでなく、外部大学への受験も充実したサポートを受けられる点が生徒や保護者から評価されています。難関大学を目指す生徒も多く、高い合格実績につながっています。
毎年、近畿大学をはじめとする私立大学への進学者が一定数おり、学内推薦や内部進学制度を活用してスムーズに進学するケースも見られます。併せて、国公立大学への合格実績も積み重ねており、生徒の希望や実力に合わせた多彩な進学先が特徴的です。地元和歌山県の大学だけでなく、大阪エリアや関西圏全域の大学への進学も多いのが強みといえます。
国公立大学では、東京大学、京都大学のような最難関大学を筆頭に、大阪大学、北海道大学、横浜国立大学、広島大学、大阪公立大学、京都工芸繊維大学、奈良女子大学など旧帝大や地方難関大学への合格実績が見られます。
私立大学では、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学や、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学といった東西有名難関私立大学への合格実績があります。
その他、医学部医学科への合格者も存在しますが、近畿大学附属和歌山中学校・高等学校の最大の特徴はやはり、近畿大学への合格実績でしょう。直近の合格者実績を見ると、200~300人ほど近畿大学へ合格し、内部進学を果たしています。
まとめ
コースごとに異なる偏差値帯や充実した中高一貫カリキュラム、そして部活動や学校行事など、多面的な要素で魅力を発揮しているのが近畿大学附属和歌山中学校の大きな特徴です。大学進学を視野に入れた教育体制は整っており、早い段階から受験対策や自己の将来像を持つ生徒が多いことから、学習意欲を高め合える環境が形成されています。学校の規模や雰囲気、立地条件などを含めて総合的に検討し、自分に合った学びの場を選ぶことが重要です。
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