総合型選抜・学校推薦型選抜入試の志望理由書の書き方を徹底解説!【例文あり】

総合型選抜・学校推薦型選抜入試では、学力の高さだけでなく志望度の高さが評価され、合格を勝ち取るには志望理由書の書き方が鍵を握ります。今回は、総合型選抜・学校推薦型選抜入試の志望理由書の書き方について徹底解説します。総合型選抜・学校推薦型選抜入試の受験を検討するお子様・保護者様はぜひ参考にしてみてください。

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における書類審査の種類

まず総合型選抜・学校推薦型選抜入試における書類審査の種類から簡単におさらいしてみます。具体的に審査される書類は調査書・志望理由書・活動報告書などです。

書類審査の種類 概要
調査書 学校の成績や活動、資格などに関する情報をまとめた書類。主に評定をチェックされるので、学校の定期テストや単元テストなどで好成績を残す必要がある。
志望理由書 志望大学が自分の能力を引き出すのに最適な環境である理由を伝えるための書類。学部や学科に対する志望度の高さが重視される。
活動報告書 学生時代の経験や経歴、活動内容などを記載する書類。同書類をもとにプレゼンやディスカッションが求められることもある。

この中で特に重要なのが志望理由書です。

志望理由書とは、大学・学部への入学を希望する理由、入学後に実現したい目標、学んだことを社会に活かすキャリアプランなどを記載する書類です。

学校の成績がよくても、魅力的な活動実績があったとしても、志望理由から大学が求める人材でないと判断されれば、不合格になってしまいます。

英語の成績がよくても、スポーツの実績があっても、大学が英語やスポーツに注力していなければ必要とされません。

また、志望理由書は面接で志望理由を伝えるときにも重要な書類です。内容を深く考えることで面接でも自己アピールがしやすくなります。面接官の質問を想定して書けば面接の回答も用意しやすくなります。戦略的に作り込むことで面接を有利に進められるでしょう。

総合型選抜・学校推薦型選抜入試の書類審査では、志望理由書に力を入れて応募してみてください。

書類審査の内容、対策については下記の記事でも解説しているので、詳細を知りたい方はご覧ください。

総合型選抜入試を制するためには書類審査と小論文の早期対策が必須!

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における志望理由書の書き方

総合型選抜・学校推薦型選抜入試では、志望理由書が特に重要だとお伝えしましたが、どのような書き方をすればよいのか迷うでしょう。

志望書の書き方にはいくつかポイントがあり、基本を押さえておくだけで大学側に注目される書類を作成できます。

引き続き、志望理由書の書き方として重要なポイントを解説します。

自己分析をしてから書く

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における志望理由書の書き方として重要なのが、自己分析をしてから書くことです。過去の体験を思い出して、打ち込んだことや達成したことなどを振り返ります。

振り返りから強みや弱み、興味などを明確にしたうえで志望理由を組み立てます。説得力を高めるために具体的なエピソードや数値込みの実績、資格取得の成果などを示すことも意識しましょう。

ただ、経験が少ないとアピールできる内容も不足しがちです。高校3年生からではなく、高校1、2年生の段階から志望理由書に書ける経験・実績を積んでおくとよいでしょう。

志望大学の学部を分析してから書く

志望大学の学部を分析してから書くことも重要です。志望大学の学部で学べること、行われている研究、就職実績などを把握したうえで、「この大学でなければならない」という理由を明確にします。

そのうえで、志望大学・学部を決めた理由として、学びたいこと・学んだことを社会で活かす筋道を伝えます。大学は社会貢献を目的とする教育機関でもあり、目的意識や将来性の高さが伝われば受験を歓迎されるでしょう。

分析にあたって、志望大学のホームページを確認したり、オープンキャンパスに参加したり情報収集をしましょう。志望学部の教授の著書を調べて読んでみることもオススメです。

アドミッションポリシーを確認してから書く

志望理由書を書くときは、アドミッションポリシーの確認も不可欠です。アドミッションポリシーとは、大学が求める学生像および入学者選抜のための基本的な考え方を示した方針です。

たとえば、近畿大学医学部のアドミッションポリシーには、「自ら課題を発見し、解決していく意欲にあふれる人」が掲げられています。課題解決力の高さに自信がある方であれば、志望理由書に実際に課題を解決したエピソードを交えるというアイデアが浮かぶでしょう。

近畿大学 医学部のアドミッションポリシー

アドミッションポリシーの重要性については下記記事でも解説しているので、詳細を知りたい方はチェックしてみてください。

総合型選抜対策のキーワード!3ポリシー徹底解説【アドミッション・ポリシーが重要!】

志望大学のアドミッションポリシーは下記のサイトで検索できますので、ぜひご活用ください。

主要大学のアドミッションポリシー一覧

文章を学んでから書く

大学が求める人材であることを適切に伝えるには文章力が重要です。志望理由書を書く前に文章の基本を学びましょう。

文章の基本は、読み手にわかりやすく伝える構成を意識することです。

志望理由書のわかりやすい構成として下記の流れを参考にしてみてください。

①結論
②根拠
③具体的なエピソード
④決意

先に結論を示さないと何が言いたいのかわからなくなりますし、根拠や具体的なエピソードがないと説得力が薄くなります。

結論・根拠・具体的なエピソードを書いてから入学後の決意を述べることで、読み手に志望度の高さを確実かつスムーズに伝えられるでしょう。

熱意が伝わるように書く

総合型選抜・学校推薦型選抜入試の志望理由書は、文章をわかりやすく書くだけでは読み手の心を動かせません。

読み手の心を動かす言葉・表現は熱意から生まれます。志望大学に合格したいという熱意が伝わるように書きましょう。

熱意を伝えるには文章に感情を込めるのが基本です。志望大学をリサーチして驚いたことや感動したことなどをエピソードに交えるとよいでしょう。

誤字脱字や文法ミスなどを見落とさないように書く

志望理由書の書き方で注意が必要なのが誤字脱字です。誤字脱字があれば、「ミスをしやすい」「責任感がない」などの印象を読み手に与える恐れがあります。文法のミス・誤りがあれば「文章能力が低い」「学力・理解力が低い」と思われるかもしれません。

アドミッションポリシーに適さない人材と判断されれば、不合格になってもおかしくはありません。

ただ、注意しても誤字脱字や文法ミスを見落とすケースもあります。お子様と保護者様の両方で確認すると、見逃すリスクを大幅に軽減できるはずです。協力してチェックしましょう。

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における志望理由書の書き方の例

お伝えした文章の構成をふまえた、総合型選抜・学校推薦型選抜入試における志望理由書の書き方の例です。

【結論】

貴学の情報学部データサイエンス学科を志望したのは、データサイエンスを実践的に学べる研究室があるからです。

【根拠】

貴学の~研究室では、学生にデータ分析に関するコンペ(競技会)の参加を推奨・指導なさっています。

【具体的なエピソード】

オープンキャンパスで研究室の方に詳細をうかがったところ、コンペで優勝した学生がいることを知り、とても驚きました。

統計検定2級の資格を取得したことを伝えると、高校生の私にもデータ分析の勉強方法や、将来的にコンペに参加するまでの道筋を教えてくださり、感激しています。

他大学のオープンキャンパスにも参加しましたが、データ分析の勉強方法まで教えていただいたのは貴学が初めてです。

【決意】

~教授から「うちの研究室でコンペにチャレンジしよう!」との温かいお言葉をいただき、貴学にどうしても入学したいと思うようになりました。入学後は~研究室の一員に加われるよう学業に励み、周囲の学生たちと切磋琢磨しながら、~さんのようにデータ分析のコンペで優勝を目指して参ります。

 

以上、いかがでしたでしょうか?志望理由書の書き方と、気を付けるべき点をおさえた例文になりますが、より良い志望理由書になる余地もあります。

例えば、「データ分析の勉強方法まで教えていただいた」部分を、より具体的にどのような勉強方法を教わったのかまで書けば、この生徒はこの学問を理解している、理解しようとしていると印象付けることができます。そうすれば、他の受験生と差をつけることができます。

まとめ

総合型選抜・学校推薦型選抜入試における志望理由書の書き方についてお伝えしました。

自己分析や学部のリサーチをしてから書くこと、わかりやすい文章の構成に基づいて書くことなどが重要でした。

基本をおさえた例文を取ってみても、一歩先に行くために変えられる部分もあります。

ご紹介した以外にも細かいテクニックはたくさんあり、大学受験の専門家からアドバイスをもらうとさらに合格率が高まるでしょう。

志望理由書の書き方や、その先の小論文対策についてさらに細かいアドバイスをご希望される方はAxisのオンライン家庭教師のホームページにて。