広島女学院中学校は広島市中区に位置する女子校で、歴史と伝統を重んじつつ現代的な教育プログラムを展開しています。創立は1886年と古く、広島県内でも古参の私立中高一貫校の一つとして認知されています。キリスト教精神を基盤とした教育が特徴で、平和教育やグローバルな視野を養うカリキュラムも大切にしています。
本記事では、広島女学院中学校の偏差値や受験情報から、進学実績など、受験検討のうえで知っておきたい情報を総合的にご紹介します。
ここでは特に学習や受験対策だけでなく、学校の教育理念や特色あるプログラムも深く掘り下げ、進路選択の視野を広げるためのポイントをまとめました。志望校選びのお力になれれば幸いです。
広島女学院中学校の基本情報
広島女学院中学校は、広島県内でも指折りの伝統ある私立女子校として知られています。中高一貫教育を採用し、6年間を通じて学習できる環境を用意しています。キリスト教主義の校風に加え、落ち着いた雰囲気ときめ細かな指導が保護者や生徒から高く評価されています。
学校概要と特徴
広島女学院中学校は教育理念を「まなぶ・みとめる・つながる」としており、内容は以下の通りです。
【まなぶ】
確かな学力と豊かな教養を備えた女性を育てます。主体的に学び、知を楽しむ人、自ら問いを設定し探究する人を目指し、物事の本質を見抜き、自らの可能性を実現するために学び続ける本物の力を養います。
【みとめる】
かけがえのない自分と他者の存在に気づき、お互いを尊重できる女性を育てます。相手に寄り添いながら意見や考えを丁寧に聴き、他者と良い関係を築く力を養います。
【つながる】
多様な価値観や文化的背景を持った人々と出会うなかで、平和な世界の実現に貢献できる資質を備えた女性を育てます。生徒一人ひとりに与えられたミッション(使命)を全うできる信念や行動力を養います。
自分らしさに気付き、多様な価値観・文化を認め合う心を育むこと、グローバルな視野で物事を見渡し、平和・人権・世界について考えることなど、あらゆる学びと経験を通して、平和な世界の実現に貢献し、社会で輝く女性を目指すことが広島女学院中学校の指針となっています。
中高一貫校であることを活かした「基礎学力を身につける学び」や「希望の進路へと導く学び」など、6年という期間を活かして生徒一人ひとりとしっかり向き合った、細やかな指導にも定評があります。
広島女学院中学校の特徴の一つに、キリスト教教育が挙げられます。「我らは神と共に働く者なり」という学院聖句のもとに、「聖書」の授業を行ったり、奉仕活動を行っています。
主体的に学ぶ力を育成する「探究活動」や、興味と関心に合わせて学びを選択するExtensive Program(エクステンシブ プログラム)、国際社会で活躍できる女性になるための「グローバル教育関連プログラム」「国内外研修」など、多くの魅力的な教育プログラムがあることも、広島女学院中学校の強みです。
口コミでは、キリスト教をベースとした温かい校風や、先生方の丁寧な指導が特に評価されています。生徒一人ひとりをじっくり見守ってくれる安心感が、保護者からは高く評価されているようです。キリスト教主義や女子校独特の雰囲気をどう捉えるかは、入学前に実際に足を運んで確かめるのが一番です。
進学実績に関しては、国公立大学だけでなく有名私大の合格者数も着実に伸ばしているという意見が多いです。学校自身の伝統があることで受験生のモチベーションが維持しやすく、意欲の高い生徒が集まっているので切磋琢磨できる環境だと感じている保護者も少なくありません。
学校沿革と所在地
広島女学院は1886年(明治19年)に、砂本貞吉牧師によって創立されました。創立の翌年1887年(明治20年)に校名を「私立広島英和女学校」と改称し、広島初の女学校としてスタートしたのが、広島女学院中学校の始まりです。広島県内はもちろん、全国的に見ても歴史ある学校だと言えます。
同校の所在地は広島市中区上幟町に位置し、公共交通機関の利便性が高いのが特徴です。JR「広島駅」から徒歩約12分、広島バス「女学院中高」停留所から徒歩約1分、広島電鉄「女学院前」電停から徒歩約3分など、様々な公共交通機関を利用できる広島県の中心地に位置しているため、他の地域からでも比較的通いやすく、遠方から通学している生徒も見られます。
入試情報
2025年度の入試情報は以下の通りです。
日程 | 専願入試 | 一般入試 |
募集人員 | 約180名 | |
試験内容 | 国語:50分 算数:50分 社会・理科:50分 筆記試験(国語120点、算数120点、社会50点、理科50点、合計340点満点) ·作文·出願書類で総合判定 |
国語:50分 算数:50分 社会・理科:50分 筆記試験(国語120点、算数120点、社会50点、理科50点、合計340点満点) ·出願書類で総合判定 |
遠隔地受験者対応、英語検定優遇措置、帰国生措置 | ・応募資格を満たしていない受験生(出願時に広島県および山口県東部に在住していない受験生)で出願を希望する場合は、「遠隔地受験者·生活計画シート」を提出 ・高度な英語力を有する女子児童については、通常の筆記試験·選考方法に加えて優遇措置(実用英語技能検定準2級以上取得者) ・長期にわたって(原則として2年以上)海外に居住し、帰国後2年以内の女子児童については、通常の筆記試験に加えて、作文·面接による特別選考を行う |
偏差値情報
広島女学院中学校の偏差値は、おおよそ59前後とされています。県内の私立女子校としては高いレベルに位置づけられます。難易度の変動は年度や入試方式によって異なりますので、最新情報をこまめに確認することが大切です。安定した人気を誇る学校であるため、偏差値以外に受験時の合格倍率などにも注目しておきましょう。
広島県内での偏差値比較
広島女学院中学校の偏差値は、広島県内の私立中学校の中でも上位に位置します。
広島女学院中学校は、比較対象としてノートルダム清心中学校や、安田女子中学校と並ぶ広島エリアの有名女子校が良く挙げられます。それぞれの学校で入試問題の傾向や教育理念、進学実績などが異なるため、志望校選びの段階でしっかり特徴を見極めることが大切です。
近年は安定的に出願者が集まっており、3倍以上の倍率になっている年度もあります。高倍率になるほど合格レベルも引き上げられる可能性があるため、総合的な受験対策が不可欠です。
中学校進学後の学習について
進学後の学習ポイントや使用教科書などは、以下をご確認ください。
進学実績
地元の国公立大学をはじめ、関西・首都圏の私立大学に多数合格者を輩出しています。中学校レベルから基礎学力をしっかり築き上げ、高校段階で応用力を身につけることで、大学受験に必要な総合力を高められるカリキュラムとなっています。
国公立大学では、京都大学、大阪大学、北海道大学、東北大学、神戸大学、九州大学、筑波大学など、全国の難関大学への合格実績があります。広島大学、県立広島大学、広島市立大学、叡啓大学といった地元の大学への合格実績も豊富です。
私立大学では、早稲田大学、慶應義墊大学、上智大学、東京理科大学、国際基督教大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、法政大学、同志社大学、関西学院大学、立命館大学、関西大学などの合格例があり、文系・理系問わず幅広い領域で成果を上げています。
特筆すべきは、海外の大学への合格実績と、豊富な指定校推薦枠があることが挙げられます。
海外大学の合格実績は、アメリカだとBrown University、Pomona College、Wellesley College、その他の国でもUniversity of Toronto(カナダ)、成均館大学(韓国)、ハンガリー国立大学医学部(ハンガリー)などがあります。
指定校推薦枠がある大学は、直近だと早稲田大学、慶應義墊大学、東京理科大学、明治大学、中央大学、立教大学、青山学院大学、立命館大学、東京薬科大学、神戸薬科大学などがあるようで、関西・首都圏有名私立大学の進学実績の一因となっていることがわかります。
まとめ
広島女学院中学校には、伝統とキリスト教主義に基づく平和教育、そして中高一貫の学習体制といった独自の強みがあります。受験対策を進める中では、基礎学力の徹底と応用力の養成が欠かせません。自学自習が難しいのなら、塾や家庭教師などのサポートを上手に組み合わせていくことも考慮してみましょう。過去問や模試を活用しながら、着実に実力をつけていくことが大切です。
入学後は充実した学校行事や部活動、丁寧な学習サポートが用意され、国公立大学や有名私立大学への進学実績も堅調です。保護者や生徒の口コミでも、学校生活の満足度や進路実績に関して好意的な意見が多く聞かれます。
広島女学院中学校を志望校とする際は、学校見学や説明会への参加を通じて、校風や教育方針を確かめることをおすすめします。情報を収集することで、後悔のない学校選びにつながるでしょう。
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